Ciao!みなさんこんにちは!このブログでは主に
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の4つのトピックについて発信しています。
今回は転職レシピとして、データサイエンティストの就業先についてお話します!
博士・ポスドクにとって、研究の経験やスキルを活かすことができるデータサイエンティストという職種は民間転職を考えたときに有力な候補であることは、これまでの記事でお伝えしてきました(「転職レシピ|データサイエンティスト3類型(博士・ポスドクの研究経験を活かすアカデミック系データサイエンティスト)」など)
実際にデータサイエンティストとして転職を考えたとき、転職先として事業会社かコンサル会社か2種類の会社が候補となります。
前々回の記事「転職レシピ|データサイエンティストの就業先1(事業会社の特徴とメリット)」と前回の記事「転職レシピ|データサイエンティストの就業先2(コンサル会社の特徴とメリット)」では、事業会社とコンサル会社についてそれぞれお話しました。
今回の記事では事業会社かコンサル会社を比較することでどのような軸で会社を選んでいけばよいかヒントをお伝えします!
この記事は以下のような人におすすめ!
- データサイエンティストとしての転職先は?
- 事業会社がいいの?コンサルがいいの?
Abstract | 自分のビジョンに合わせて事業会社かコンサル会社かを選ぼう!
民間のデータサイエンティストの就業先には、大きく分けて事業会社とコンサル会社の2つがあります。
事業会社では、データサイエンティストは自社のデータを自社のビジネスに活用するために分析します。
コンサル会社では、クライアントと呼ばれる他社からの業務委託を受け、データサイエンティストは他社のデータを他社のビジネスに活用するために分析します。
事業会社は「データ分析をとにかく深く掘り下げたい人」に向いているでしょう。
事業会社では自社のデータを自社のビジネスのために使うため
- 特定分野でデータ分析とビジネス課題解決の経験を深めることができる
- やりたい分析を思いついたらすぐに自社データで試すことができる
というメリットがある一方、
- 別の分野のデータや様々な種類のデータに触れる機会が少ない
- 幅広いビジネス課題に触れる機会が少ない
といったデメリットがあります。
一方で、コンサル会社は「自分からいろいろやりたい人」に向いているでしょう。
コンサル会社では、さまざまなクライアントのデータを様々なビジネスに活用するため
- 様々な分野の様々な種類のデータに触れることができる
- 様々な分野の様々なビジネス課題に触れることができる
といったメリットがある一方、
- やってみたいと思った分析をすぐに試せる機会(データ)が少ない
- データ分析からビジネス課題解決の先(事業化等)までを見届けることは難しい
といったデメリットがあります。
とにかくデータ分析を深めたいのか、いろいろなデータを扱いたいのか等、自分のビジョンにあわせて事業会社にするのかコンサル会社にするのかを選ぶと良いでしょう。
また、事業会社に転職するにせよ、コンサル会社に転職するにせよそれぞれのメリットを活かせそうな会社を選ぶべきです。
Background | 事業会社とコンサル会社のデータサイエンス業務
民間のデータサイエンティストの就業先は大きく分けて2つあります。
データサイエンティストとして転職するなら、
- 自社データの分析を行う = 事業会社
- 他社データの分析を受注する = コンサル系会社
のどちらかの企業に行くことになります。
事業会社は、自社でデータを収集しており、そのデータを自分たちで分析し、自分たちのビジネスに活用する会社です。
メーカー、IT、Web、広告、金融、保険といった業種で事業を営んでいる会社では、自社でデータを保有し、自社でデータサイエンティストを採用し、自社で分析し、自社の事業に活用するということが行われつつあります。
コンサル会社は、他社(=クライアント)のビジネスをサポートする会社です。
コンサル会社は、クライアントの保有するデータを代わりに分析し、その結果をレポートし、今後のビジネスの方向性について提案をするような業務を行います。
データ分析を受注するという意味で、ここではいわゆるコンサルティングファームだけではなく、データ分析会社も含めてコンサル会社と呼びます。
大手のコンサル会社であれば大抵はデータサイエンティストを募集しているので、コンサル会社は有力な就業先のひとつです。
ちなみに私自身もコンサル会社に所属しています(「天文学系データサイエンティストの略歴2|民間コンサルタントとしての業務ポートフォリオ」)。
事業会社とコンサル会社の共通点 | データサイエンス業務の流れ
事業会社でもコンサル会社でも、データサイエンス業務の工程は大まかには共通しています。
データサイエンス業務では以下のようなことを行います(こちらの過去記事も参照→「転職レシピ|民間データサイエンティストの業務内容(IT事業会社の場合の例)」)。
- 問題設定
- 分析手法検討
- 分析と試行錯誤
- 結果の解釈
- ビジネスへのフィードバック
ビジネス上の課題をデータ分析で解決できそうな問題設定に落とし込んだ上で、データを分析し、ビジネス課題にどのようにアプローチすべきかについて示唆を得るという流れです。
事業会社とコンサル会社の相違点 | 扱うデータと活用先のビジネス
事業会社とコンサル会社のデータサイエンス業務における相違点は、
- 入力となるデータ
- データ分析結果を活用する出力さきとなるビジネス
の2つです。
事業会社では自社のデータを分析する
事業会社では自社のデータを扱うことになります。
最近ではデータサイエンティストを採用している事業会社も増えてきており、IT系・Web系の会社を始め、メーカー、金融系の会社までこぞってデータサイエンティストを採用し始めています。
このような事業会社では、自社でデータを集めており、それをビジネスに活用したいがためにデータサイエンティストを集めています。
自社でデータを保有しているため、「分析したいけれどもデータがない」といった状況になることは少なく「このような分析をしてみたい」と思い立ったら自社データですぐに試行錯誤に取り書かれる利点があります。
一方で、他の業種のデータに触れる機会が少なくなったり様々な種類のデータに触れるという経験はしづらいかもしれません。
事業会社では分析結果を自社のビジネスに活用する
事業会社では分析結果を自社のビジネスに活用します。
問題設定の起点となるビジネス課題も自社で持っているもので、例えば自社のマーケティング部門などが抱えている課題です。
分析結果も自社のビジネスの活用され、自分のレポートした分析結果が経営戦略などに反映されていくことになります。
データ分析の活用先が自社のビジネスなので、ビジネス課題を深く知った上でデータ分析を行えることが利点です。
ビジネス課題もデータも自社のものなので、「このビジネス課題ならこのデータで解決できそう」といった提案や試しにやってみるような分析(いわゆる実証実験; Proof of Concept, PoC)をすぐにできます。
コンサル会社ではクライアントのデータを分析する
コンサル会社では、データ分析をビジネスに活用したいと考えているクライアント企業をサポートする業務を行います。
コンサル会社自身ではデータは基本的には持っていません。
そのため扱うデータは主にクライアントのデータとなります。
コンサル会社では基本的には自社でデータを保有していないため、「こういう分析をやってみたい」と思ったときに、所望のデータを持っているクライアントを見つけるところから始めなければなりません。これがコンサル会社の不利な点です。
一方で、様々な業種のクライアントと関わることができるため、様々な業種のデータや様々な種類のデータにふれる機会が得られる利点があります。
コンサル会社では分析結果をクライアントのビジネスに活用する
コンサル会社では、データ分析の結果もクライアントのビジネスに活用することになります。
ビジネス課題を抱えているクライアントに対し、
- どのようなデータがあれば解決できそうか
- どのような分析を行えば有益な示唆が得られそうか
- 分析結果をどのような業務に反映すれば課題解決できそうか
ということをクライアントから情報を聞き出しながら考え、データサイエンスプロジェクトを提案するところから始まります。
ビジネス課題もデータもクライアント企業に端を発するものなので、予めビジネスやデータについて深く知った上でデータ分析を行うことは難しいです。
実証実験をやるにしても、前述のようにプロジェクトを提案しクライアントに予算を取ってもらい、発注してもらって初めてできるため、事業会社のように機動的になんでもできるわけではありません。
Contents | 事業会社とコンサル会社のメリット・デメリット
事業会社のメリット・デメリットとコンサル会社のメリット・デメリットはコインの裏表の関係にあります。
簡単に言えば、
- 狭く深く分析するなら事業会社
- 浅く広く分析するならコンサル会社
という傾向にあります。
ただしこの傾向が全てではなく、事業会社で幅広い分析を行ったり、コンサル会社で特定分野を深めることも可能です。
事業会社のメリット・デメリット
事業会社のメリットは大まかには、
- 特定の分野でデータ分析とデータ分析によるビジネス課題解決の経験を深めることができること
- やりたい分析を思いついたらすぐに試すことができる機動力
です。
自社でデータを持っており、ビジネス課題も自社内部にあることに起因します。
事業会社のデメリットはこれの裏返しで、
- 別の分野のデータや様々な種類のデータに触れる機会が少ないこと
- 幅広いビジネス課題に触れる機会が少ないこと
です。
事業会社を選ぶポイント | 自社で豊富なデータを持っていること
事業会社でデータサイエンティストになるのであれば、前述のメリットを活かせる会社、すなわち自社内に豊富なデータを持っている会社を選ぶべきです。
できれば、データ分析をビジネスの意思決定に活かしてきた企業、そのような文化を持っている企業であることが望ましいです。
ただ、大手日系企業ではまだまだビジネスへのデータ分析の活用は進んでいません。
昨年あたりから「DX」という言葉が流行っていますが、実態は「業務の自動化・効率化」といったエンジニア的なプロセスにとどまっており、「データ分析で得られる示唆をビジネスの意思決定に活かす」といったサイエンティフィックなプロセスまでできている企業は稀に感じます(エンジニアリング的なプロセスとサイエンティフィックなプロセスの違いについてはこちらの記事→「転職レシピ|Ph.D.とデータサイエンティスト(UKの物理学Ph.D.→データサイエンティスト→CEOになった柴田暁氏のご意見)」)。
ビジネスへのデータ分析という点においては、やはり新しいIT企業やWeb系企業が強いように感じます。
あとは損保会社などの一部金融機関も頑張っている印象があります。
コンサル会社のメリット・デメリット
コンサル会社のメリットは大まかには、
- 様々な分野の様々な種類のデータに触れることができる
- 様々な分野の様々なビジネス課題に触れることができる
ことです。
様々なクライアント相手に業務提供しているような会社であれば、多種多様な業種をカバーしているでしょうし、自分から手を上げて興味のあるデータサイエンスプロジェクトに参加していくことができるはずです。
コンサル会社のデメリットは自社でデータを持っていないことに起因するものです。
- やってみたいと思った分析をすぐに試せる機会が少ない
- データ分析からビジネス課題解決の先(事業化等)までを見届けることは難しい
自社のデータを持っていれば、ちょっと試しに分析してみることもできますが、コンサル会社ではそうも行きません(クライアントから実証実験の案件を獲得する必要がある)。
また、自社のビジネスに活用するわけではないので、分析結果が最終的にどう活用されたのか、そのごクライアントのビジネスはどうなったのかをつぶさに追跡することも難しいです。
コンサル会社を選ぶポイント | クライアントや案件が豊富にあること
コンサル会社でデータサイエンティストになるのであれば、前述のメリットが活かせる会社を選ぶべきです。
すなわち、
- さまざまな業種のクライアントに業務を提供している
- さまざまな種類のデータを扱う案件がある
会社です。
コンサルはクライアントから依頼される仕事で生きているので、クライアントの質の良さ・量の多さ、データサイエンス系の案件の豊富さが命です。
データサイエンス系の案件の豊富さという点では、どの種類のデータサイエンティストがどのくらいいるのかというのも重要な情報です。
1次・2次面接で現場の従業員や経営者に
- どのようなクライアントがいるのか
- どのような業務を提供しているのか
- データサイエンティストはどのくらいいて、どのような業務に携わっているのか
あたりを聞いておくと良いでしょう。
Discussion | 事業会社かコンサル会社か?
事業会社とコンサル会社のメリット・デメリットを踏まえ、それぞれどのような人におすすめなのか、私なりにまとめます!
事業会社はこんな人におすすめ | とにかく分析を深めたい人
事業会社は
- 扱いたいデータが定まっている人
- 興味があるビジネステーマや業種が定まっている人
- ある程度絞られたデータやテーマについての分析を深めたい人
におすすめです。
簡単に言えば「狭く深く掘り下げたい人」です。
事業会社では自社のデータ、自社のビジネス課題に限定されているため、いきなり分析を始められるし、思いついた分析を試したり深めていくことがしやすいです。
どんなデータを使ってどんなビジネス課題を解決したいのかという初歩から自分で考える必要はありません。
使えるデータやビジネステーマがある程度絞られていたほうが動きやすいという方には事業会社は向いているでしょう。
自分の興味と会社が扱っているテーマが合致すればデータサイエンス業務をどんどん深めていけるはずです。
逆に、ここがマッチしていないと仕事を楽しむことができないかもしれません。
自分の好みや性格との兼ね合いも考える必要があるでしょう。
コンサル会社はこんな人におすすめ | 自分でいろいろやりたい人
コンサル会社は、
- いろいろなデータを扱いたい人
- いろいろなビジネスを知りたい人
- 扱いたいデータを自発的に、自由に探したい人
におすすめします。
簡単に言えば「自分でいろいろやりたい人」です。
3つめの「扱いたいデータを自発的に、自由に探したい人」というのはコンサル会社でデータサイエンティストをやっていく上で重要な心構えです。
クライアントのデータとビジネスを扱うという性質上、面白いビジネス課題と面白いデータを持っているクライアントを自分から探しに行かない限り、面白いデータ分析プロジェクトに携わることはできないためです。
詳細は別の機会にお話しますが、コンサル会社にやってくる案件、すなわちクライアントがコンサル会社に発注するデータサイエンスプロジェクトで、良質な案件は非常に少ないです。
自分から探しに行かない限り、ともすればくだらない案件ばかりになってしまいます。
どんなデータを使ってどんなビジネス課題を解決したいのかという初歩から自分でデザインしたい方にはコンサル会社は向いているでしょう。
Conclusion | まとめ
最後までご覧いただきありがとうございます!
データサイエンティストの就業先である事業会社とコンサル会社の違いについてお話しました!
興味のある業界や扱いたいデータがある程度定まっていて分析を深めたいのであれば事業会社がおすすめです。
自社で豊富なデータを持っており、データ分析をビジネスに行かせている会社を選ぶことがポイントです!
様々な業界のデータを扱いたい場合やビジネス課題の設定も含めて何でも自分でやりたいという方にはコンサル会社はおすすめです。
良いクライアントを豊富に抱えており、データサイエンス案件も受注できている会社を選ぶことがポイントです!
以上「転職レシピ|事業会社?コンサル?データサイエンティストの就業先としてのメリット・デメリット」でした!
またお会いしましょう!Ciao!
References | 2018年転職活動時のメモ
最後に転職活動当時に下調べしたときのメモを転機します!
リンクが切れているかもしれませんが、ご興味があれば元記事を見てみてください!
データサイエンティストができること(農業の例)
- いろんな産業との関わり: https://www.msn.com/ja-jp/money/other/グーグル、アマゾンがこぞって求める「データサイエンティスト」という仕事/ar-BBHofU5#page=2
- たとえば農業では、すでに土の中にセンサーを埋め込んだり、ドローンを飛ばして、作物の収穫量を予測するなどの話も聞くようになりました。あるいは、きゅうりの写真を撮影し、曲がり具合などから売り物になるかならないか人工知能で自動的に判断することもある
- 農業IoT: http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1803/29/news03.html
- いろんなセンサーのデータを分析して回帰モデルを作る
コンサルとデータサイエンティストの違い
- データサイエンティストはビジネスサイエンティストになろう
- 経営コンサルタントが解決策の提案で終わることに対し、データサイエンティストは予測モデルの実装という仕組化まで用意する
- 市場が求めるデータサイエンティストとは/コンサルタント
- データ分析で稼ぐ戦略を考える・・・データサイエンティストの場合
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