転職レシピ|コンサル会社のデータサイエンティストの苦悩と解決策「高度なデータ分析案件が少ないなら自分で探して作る」

デメル本店の背景。オーストリア、ウィーンにて。 転職
自社データを持たないコンサル会社で面白いデータサイエンス案件を得るには自分で動く必要があります!

Ciao!みなさんこんにちは!このブログでは主に
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今回は転職レシピとして、データサイエンティストにとってのコンサル会社のデメリットについてお話します!
博士・ポスドクにとって、研究の経験やスキルを活かすことができるデータサイエンティストという職種は民間転職の有力な候補です。
データサイエンティストは事業会社かコンサル会社に勤務することになります。
これらの種類の会社のメリット・デメリットは前回の転職レシピ「転職レシピ|事業会社?コンサル会社?データサイエンティストの就業先としてのメリット・デメリット」でまとめました。

この記事では、私が大手コンサルティングファームに3年近く勤務していて気づいたコンサル会社のデメリットを掘り下げます。
コンサル会社では、自社でデータを保有していないことに起因したデメリットが必ず発生します。
どのような場合にこのようなデメリットが顕在化するか、それを防ぐためにはどのようにしたらよいかをお話します!

Kaiko
Kaiko

この記事は以下のような人におすすめ!

  • データサイエンティストとして転職を考えている
  • コンサル会社への転職を考えている
  • コンサル会社でデータサイエンティストをしていて行き詰まっている

Abstract | コンサル会社では主体的に案件を見つけよう!

コンサルティングファームやデータ分析会社も含め、コンサル会社はクライアントと呼ばれる他社から案件を受注して業務を行います。
データサイエンスの文脈では、クライアントのデータを分析しクライアントのビジネスに活用することになります。
コンサル会社では、さまざまなクライアントを通じで多種多様なデータやビジネスに触れ、精通していくことができるメリットがある一方、データを自社で保有していないことに起因するデメリットがあります。

クライアントのデータを分析するという性質上、十分な質と量のデータを保有しているクライアントから業務を受注できない限り、コンサル会社では「面白いデータサイエンス案件」や「高度なデータサイエンス案件」に出会うことはできません。
コンサル会社にデータ分析を外注するクライアント(多くは事業会社)は、データ活用においては未熟であることがほとんどです。
そのようなクライアントから降ってくる案件を待っているだけでは、面白いデータサイエンス案件と出会うことは困難です。

コンサル会社でデータサイエンティストになるのであれば、日頃からどのようなデータを分析したいのか、どのようなビジネスに興味があるのかなどを社内で発信しておくと良いでしょう。
自分で案件を作るつもりでガンガン発信していると、興味を持った社内の仲間がチャンスをもたらしてくれることがあります。
豊富なクライアントを持つ大きめのコンサル会社であれば、社内のどこかにそのような希望に合うクライアントや案件を抱えている人がいる可能性があります。
まざまなクライアントを通じで多種多様なデータやビジネスに触れられるメリットを最大限活かすために、主体的に動いていきましょう!



Background | コンサル会社のメリット・デメリット(おさらい)

本題に入る前に前回の転職レシピ「転職レシピ|事業会社?コンサル会社?データサイエンティストの就業先としてのメリット・デメリット」からコンサル会社のメリット・デメリットをおさらいしましょう!

事業会社とコンサル会社のデータサイエンティストの業務の違いは、

  • 事業会社: 自社のデータを自社のビジネスに活用する
  • コンサル会社: 他社のデータを他社のビジネスに活用する

ということです。
ここでは、いわゆるコンサルティングファームだけでなく、データ分析会社など自社以外のデータ分析を主体とする会社をすべてコンサル会社と呼びます。
コンサル会社の具体例は以前の転職レシピ「転職レシピ|データサイエンティストの就業先2(コンサル会社の特徴とメリット)」をご覧ください!

コンサル会社のメリット | 幅広いデータ・ビジネスに触れられる

コンサル会社のメリットは大まかには、

  1. 様々な分野の様々な種類のデータに触れることができる
  2. 様々な分野の様々なビジネス課題に触れることができる

の2点です。
様々なクライアント相手に業務提供しているような会社であれば、多種多様な業種をカバーしているでしょうし、自分から手を上げて興味のあるデータサイエンスプロジェクトに参加していくことができるはずです。

コンサル会社のデメリット | 自社データを持っていない

コンサル会社のデメリットは自社でデータを持っていないことに起因するものです。
以前の転職レシピでは、

  1. やってみたいと思った分析をすぐに試せる機会が少ない
  2. データ分析からビジネス課題解決の先(事業化等)までを見届けることは難しい

の2点を挙げました。

今回掘り下げるデメリット | 状況によっては良い案件に出会えない

これらのデメリットに加えて、状況によっては「面白いデータサイエンス案件」になかなか出会えないという問題も生じます。
コンサルはクライアントから依頼される仕事で生きているので、クライアントの質の良さ・量の多さ、データサイエンス系の案件の豊富さが命です。
先程「状況によっては」と書いたのは、「良いクライアントがいない場合」という意味です。
今回はこの問題についてお話します。



Contents | コンサル会社では高度なデータサイエンス業務が少ない

コンサル会社では、高度なあるいはデータサイエンティストとして面白いと感じられるようなデータ分析を要する案件が少ないです。
これは私が大手コンサルティングファームに3年弱勤務して感じていることです。
データ分析に特化したコンサル会社はこの限りではないかもしれませんが、コンサル会社でデータサイエンティストになるなら以下の4点に注意する必要があると考えています。

  1. コンサル会社で面白いデータ分析プロジェクトをやるためには、それが実現できるデータを持っているクライアントが必要
  2. 高度なあるいは面白いデータ分析案件ができるようなデータを持っているクライアント(事業会社)はコンサル会社にデータサイエンスを外注する必要がない
  3. コンサル会社にデータ分析を外注する必要がある事業会社では、そもそもデータサイエンス以前の問題でデータを収集するところからスタートする必要がある
  4. コンサル会社に面白いデータ分析プロジェクトをやらせてくれるクライアントは少ない

それぞれ詳しく見ていきましょう!

コンサル会社の案件の良し悪しはクライアント次第

データサイエンスに限った話では有りませんが、コンサル会社の案件の良し悪しはクライアント次第です。
データサイエンスの文脈では、クライアントが十分な質と量のデータを提供してくれるか否かで案件の良し悪しが決まります。
コンサル会社は他社のデータを他社のビジネスの発展ために分析する会社です。
コンサル会社では様々なクライアントのデータを分析できる代わりに、自社でデータを持っているわけではありません。
面白いデータ分析プロジェクトのためには面白いビジネスと面白いデータが必要です。
特に、分析によって何か付加価値を見出してビジネスの意思決定に活用するためには、データの質と量が肝心です。
十分な質と量のデータを持っているクライアントから案件をもらわなければ、コンサル会社で良質なデータサイエンスプロジェクトを行うことはできません。

データに加えて、クライアントのビジネスや意思決定の文化もコンサル会社の案件の質を左右します。
保有しているデータをビジネスの意思決定に活用する文化があるのか、現状なくても活用しようとする意志があるのかが重要です。
クライアント側にデータをビジネスの意思決定に活用する気がなければ、コンサル会社のデータサイエンティストがどんなに良い分析を行っても価値を理解してもらえないので、予算もつかず適当に可視化して終わりということになってしまいます。
また、データをビジネスに活用する文化も意志もない場合、データを分析できる形で保有していなかったり、欠損値ばかりであったりと、大抵はデータ側にも問題が生じます。

データ分析に特化したコンサル会社ではデータを持つ会社との提携がトレンド

データ分析に特化したコンサル会社、いわゆるデータ分析会社では、データを保有する事業会社との提携が盛んに行われています。
例えば、大手データ分析会社の「アルベルト」は、マイナビ(2020年12月)、トヨタ自動車(2018年5月)、東京海上日動(2018年10月)、他多数と業務資本提携や資本業務提携を締結しています(詳細はアルベルトのWebサイトを参照)。
また同じく大手データ分析会社の「ブレインパッド」は、2021年4月に伊藤忠商事との協業を始めています(詳細はブレインパッドのプレスリリースを参照)。

データを保有している側の事業会社(上の例ではマイナビ、トヨタ、東京海上日動、伊藤忠商事)にしてみれば、これまで活用できていなかったデータを活用して自社ビジネスを発展させる機会を得るための提携・協業ですが、データ分析会社の側からすれば、十分な質と量のデータを提供してくれるクライアントを確保することは死活問題です。
データ分析に特化したコンサル会社では、データ分析を売りにして協業相手を見つけて十分な質と量のデータを確保することによって、良質なデータサイエンス案件を生み出していると考えられます。
逆に、そのような協業相手が見つけられ場合、良質なデータサイエンス案件が作れないという問題に直面することになります。



データサイエンスができている会社はコンサル会社に外注しない

データサイエンスができている会社、すなわちデータを持っていてデータ分析をビジネスの意思決定に活用できている会社は、そもそもコンサル会社にデータサイエンス業務を外注しません。
データサイエンスができている会社では、

  • ビジネスに活用する前提でデータを取得している
  • すぐに分析できるような形でデータを保管している
  • データを分析するための人材(データサイエンティスト)も自社で揃えている
  • データ分析をビジネスに活用する意思決定の枠組みが整っている

など、自社でデータサイエンス業務を遂行できてしまいます。

データサイエンスができている事業会社ではそのための体制を整えている

データ分析をビジネスの意思決定に活用することを本気で考えている事業会社で、それなりに大きなところであれば、自社でデータサイエンス業務を遂行できる体勢を整えています。
サイバーエージェントなどのインターネット系会社や金融xインターネットのGMOなどはなさに自社でデータサイエンス業務を遂行できる体制を整えている企業です。

データサイエンスができている事業会社ではデータサイエンティストを多数採用している上、エンジニア寄りのデータサイエンティストからマーケター寄りのデータサイエンティストまで十数に分類されており、細かい分業が行われているようです。
最近、私と同じ大手コンサルティングファームに勤務していた友人(どちらかというとコンサルタントであってデータサイエンティストはない)が17ライブ(Webサイトはこちら)という会社に転職しました。
この会社の経営者にNETFLIX創業者がおり、「データを見て意思決定する」文化が根付いているようです。
友人曰く、統計の知識を使った高度な分析は見かけないけれども、今日取れたビッグデータをすぐに可視化して明日の施策に反映するようなスピード感でデータサイエンス業務が行われているようです。

このように「データサイエンス業務」として確立させている企業では自社で

  • ビジネスに活用する前提でのデータ取得
  • すぐに分析できる形でのデータ保管
  • データを分析するための人材(データサイエンティスト)
  • データ分析をビジネスに活用する意思決定の枠組

ができいます。
したがって、コンサル会社にデータサイエンス業務を外注する必要がないのです。
コンサル会社は、これらのどれかが実現できていないクライアントに対してデータサイエンス業務を提供することになります。



データサイエンス業務を外注する事業会社はデータ活用が未熟

コンサル会社にデータ分析を外注する必要がある事業会社では、データ分析をビジネスに活用するという点において未熟であることがほとんどです。
そのような会社がクライアントになると、高度なあるいは面白いデータ分析まで行き着かずに終わることがほとんどです。

  • データを持っていたとしても分析して結果が得られるほどのデータがない(量の問題)
  • 欠損値が多くて使えない(質の問題)
  • 分析結果が出ても意思決定に活かす文化がない(ビジネスの問題)

などと、データ分析やそのビジネスへの活用よりも前の問題で躓く場合が多いです。

また、クライアント側にデータ分析の内容が理解できる人材がいない場合、コンサル会社のデータサイエンティストがデータ分析結果やその解釈をレポートしても内容が理解できず、ビジネスの意思決定につなげることができないという問題も発生します。
コンサル会社のデータサイエンティストがわかりやすくレポートするなどの対応策である程度なんとかなる場合もありますが、結局、クライアント側の担当者がクライアント側の経営者を納得させなければならないので限界があることも多いです。

コンサル会社の困ったデータ活用案件あるある

コンサル会社に持ち込まれるデータ活用案件の困った例を紹介します。
こういう案件から距離を置くための指針として紹介します。
私自身は幸い直面したことはほとんどありません。

コンサル会社にデータサイエンス業務を依頼するクライアントのお悩みは大抵「ビジネスにデータを活用したいけれどもどうしたらいいかわからない」といったレベルのものです。
例えば、困ったデータ活用案件でよくあるのは「「データ活用(最近だとDX)の名目で何らかの施策をせよ」と経営陣から課題が降ってきたが、現場の人間では対応できないのでコンサル会社に外注する」といったものです。
このような場合、たしかにクライアントはデータを持っており、分析をしたらビジネスに活用できるかもしれないということはあります。
ところが、よくよく話を聞いてみると、

  • そもそもデータを活用する先のビジネス課題が定まっていない
  • そもそもどのようなデータを取得・保持しているのかクライアント自身がわかっていない
  • クライアントはデータを持っているけれども、活用する前提でデータを保管していないので欠損値だらけでほとんど使えない

といったことがしばしば発生します。

このようなクライアントの場合、データ分析に入る前に、

  • ビジネス課題の定義
  • 使えそうなデータの発掘

といった初歩から取り組まなければなりません。
当然、試行錯誤をして分析を深めて、ビジネス課題の解決に有効そうな示唆を得るというところまでは行き着かずに終わってしまうので「面白い分析案件」になることはないまま終わります。



Discussion | コンサル会社でデータサイエンスをやるなら自分で案件をつくるつもりで

コンサル会社で面白いデータサイエンス案件をやるには、自分で案件を作るつもりで動くのが一番の近道です。
クライアントから降ってくる案件を待っていては、前述のような困った案件ばかりになってしまいます。
もしマネージャーのようなプロジェクトを立案する立場にあるのなら、自分で魅力的な案件を作るべきです。
また、プロジェクトを立案する立場になかったとしても、

  • どのような分野のデータを扱いたいのか
  • どのようなビジネス課題を扱いたいのか
  • そのデータをそのビジネスに活用することにどのような価値があると思うのか

を日頃から発信することで、希望に沿うプロジェクトを引き寄せることができます。

データ活用が叫ばれる昨今、さまざまなクライアントがデータ活用の手立てを探しており、コンサル会社側もその手立てを模索しています。
そのような状況の中で、自分が何をしたいのか、どのような価値提供ができるのかを発信しておくと、良さそうな案件が発生したときに声をかけてもらうことができます。
コンサル会社で面白いデータサイエンス案件に出会うには主体的に動いていく必要があります。



Conclusion | まとめ

最後までご覧いただきありがとうございます!
コンサル会社でデータサイエンティストとして働く場合に直面しうる問題と解決方針についてお話しました!

コンサル会社では様々なクライアントの様々なデータを扱えるメリットの代わりに、自社データがなく、データサイエンティスト業務の質がクライアントのデータに左右されるデメリットがあります。
データサイエンス業務を外注で受けるという性質上、コンサル企業では受け身でいては面白いデータサイエンス案件に出会える可能性は低いです。
これはまさに私自身に対しても言えることですが、自分で案件を作るつもりで発信していきましょう!

以上「転職レシピ|コンサル会社のデータサイエンティストの苦悩と解決策「高度なデータ分析案件が少ないなら自分で探して作る」」でした!
またお会いしましょう!Ciao!

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