Ciao!みなさんこんにちは!このブログでは主に
(1)pythonデータ解析,
(2)DTM音楽作成,
(3)お料理,
(4)博士転職
の4つのトピックについて発信していきます。
今回は転職レシピです!
情報収集編シリーズでは、転職活動における情報収集のやり方をご紹介します!
私自身の転職活動の例もお話します!
情報収集編その2では、業種・職種・年収といった博士転職の全体的なイメージを掴むための情報収集の方法ついてお話しします。
転職市場の中で博士・ポスドクから民間企業への転職というキャリアパスはマイノリティーです。
転職サイトに掲載されている情報だけでは、ポスドクから民間企業に転職する際に、どのような業種・職種の企業を選べば活躍できそうか、年収はどのくらいを狙えるのか、イメージしにくいです。
この記事では、私が2018年当時に参考にした元研究者のブログ記事を紹介しながら、どのように業種・職種・年収といった博士転職の全体的なイメージを掴んだのかをお話します。
2021年現在では転職市場も変化しているので、当時の情報をそのまま活用することは難しいかもしれませんが、博士転職の全体的なイメージを掴むプロセスを理解しましょう!
Abstract | 元研究者の転職ブログで全体像を掴む
転職活動における情報収集は、転職エージェントを通して行う以外に、自分でもできることがあります。
とはいえ、博士・ポスドクからの転職の場合、転職サイトに掲示されている一般的な情報が参考にならないことも多いです。
自分で情報を集める際の情報源として、元研究者のブログは、業種・職種・年収などの全体像を使う上で参考になります。
専門分野が異なるなど、100 %鵜呑みにはできませんし、知り合いから直接聞けるほどの深さはありません。
しかし、浅く広く知識を集めて、博士転職の全体像についてイメージを持つことができます。
転職活動の基礎知識的な部分についてはかなり参考になります。
実際に、何人かのブログに目を通していただければ、
- 博士・ポスドクの転職は中途採用である(即戦力が求められる)
- 業種・業界を問わず活躍できる可能性がある
- 職種も幅広いが、研究で得たスキルを活かせたほうが良い
- 年収は600万円ぐらいを目指すのが妥当(2018年当時)
など、基本的な情報を集めることができます!
元研究者の転職ブログから全体像を掴むプロセスを理解していきましょう!
Background | 転職活動における情報収集の手段
情報収集は転職活動のすべての段階で重要です。
どの企業に応募するのか、内定をもらったあと、どの企業への入社を決定するかが左右されます。
研究者が転職活動を行う上で、研究者にとって役に立つ情報を収集することが大切です。
転職活動の情報収集の手段は、大まかに
- 自分で情報を収集する
- 転職エージェントから情報を収集する
の2つがあります。
どちらも並行して行うことが大切です。
今回は、「自分で情報収集する」ことの一部を紹介します。
前回の記事で、自分で情報収集する際に、
- 元研究者のブログから情報を得る
- 先輩や友人から直接聞く
があるということをお伝えしました。
今回お話するのは、「1. 元研究者のブログから情報を得る」です。
研究者(ポスドク)から民間企業に転職を成功させた方のブログは貴重な情報源です。
研究の分野が異なる、時代や経済環境が異なるなど、100 %参考にはできないかもしれませんが、業種・職種・年収といった、博士の転職活動の全体像をイメージする上で役に立ちます。
この記事では、私が2018年当時実際に参考にしたブログを紹介しながら、私がどのように転職活動の全体像をイメージしたのかをお伝えします!
Contents | 研究者の転職に役立つ元研究者のブログ
2018年夏当時、私が参考にしたブログ記事たちの一覧
まずは、私が参考にしたブログ記事の一覧をご紹介します!
当時のメモ(詳しくはRerences参照)が残っていたので、それを元にリストにしてみました!
2021年現在は、別の方のブログなどがもっと増えているかもしれません。
リンクが生きているものはリンクも張っておきますので、ぜひご覧になってみてください!
# | 概要 | リンク | 得た情報の概要 |
1 | ポスドクの民間企業への就活記録 国内某金融のクオンツになった方 | url | まずは相談と情報収集が肝 |
2 | どっかのポスドクの転職ブログ | 閉鎖 | ポスドクは学術&企業で終身雇用を考えて行動せよ |
3 | バイオ系ポスドクの体験談 | 年収 エージェント | 年収800万円を目指す2段転職戦略 エージェントの使い方とTOEICの点数について |
4 | 天文学の元ポスドクの体験談 | 閉鎖 | 天文学研究時代の業績 ポスドクをやりながらの転職活動の流れ |
5 | USの医学系元ポスドクの記事 | 閉鎖 | 正社員として採用されるまでの流れ |
6 | 尾崎氏(データサイエンティスト)のブログ | 博士人材の動向 | 新卒博士or博士課程在学者が民間に行くケース ポスドクから民間に行くケース |
7 | 転職Hacks | ポスドク問題 | 転職のタイミング |
8 | 知り合いの活躍を紹介した記事 | VASILY | 天文出身者のデータサイエンティストとしての活躍 |
ブログ記事たちから得られた私の転職活動の全体像
上記8つの記事を中心に情報収集した結果、転職活動の全体像として、私は以下のイメージを持ちました。
- 業種・業界にこだわらない
- 研究コアスキルを活かせるデータサイエンティスト系の職種を選ぶ
- 転職後の年収の目安は600万円前後
- 転職後、5年程度で年収800万円を目指す
それぞれについて詳しく見ていきます!
活躍できそうな業種のイメージ | 業種にこだわる必要はない
上記のブログ記事を読みつつ情報収集を進めることで、業種にこだわる必要はないという結論に至りました。
それよりも、「研究コアスキル」が活かせる職種を選ぶことが大切であると気づきました。
ちなみに業種とは、メーカー、運輸業、商社(卸売業)、金融、コンサルなど、会社が属している(主に収入を得ている)産業業界のことです。
一方の職種とは、営業、技術者、研究開発、データサイエンティスト、コンサルタントなど、従業員の従事する業務内容のことを指します。
実際、先人たちのブログ記事に目を通すと、研究者の民間転職において、業種にこだわらなくて良いことに気づきます。
例えば、3のバイオ系ポスドクの方は、外資系企業への転職をしています。
また、6の尾崎氏はポスドクの転職先としてIT業界、データ分析業界、コンサル業界が有力になりつつあると行っています。
さらに、8の記事で特集されている後藤さん(私の知り合い)はアパレル業界のデータサイエンティストです。
転職活動を始めて、このような情報に触れるまでは、ポスドクの転職先の選択肢は限られていると考えていました。
これは、新卒採用のイメージがあったためです。
というのも、天文学の修士や博士から民間企業に新卒で就職する場合、特に観測系では、業種としては大手メーカーが大半です。
例を上げると、
- 三菱電機
- NEC
- NEC中央研究所
- キヤノン
- キヤノン電子
- ソニー
- 富士通
- 日立製作所
などなど、誰でも知っている大手メーカーやメーカー系研究所です。
これらの企業は博士の新卒枠を設けていたり、大学で説明会を行っているため、博士課程の学生にも高いVisibilityを持っています。
私自身、博士は博士の新卒枠を持っている企業に行かないと活躍できないのではないか、思い込んでいました(大きな誤りです)。
ポスドクの転職や新卒でも博士卒の場合には、中途採用、いわゆるキャリア採用です。
研究で磨いてきた「研究コアスキル」で活躍できるのであれば、業種や業界はどこでも良いわけです。
ブログ記事を読んだだけではなく、それと並行して転職エージェントと面談をする中でこの事実に気が付きました。
このようにして、天文学系ポスドクであった私が活躍できそうな業種のイメージが広がりました。
そして、業種よりも「研究コアスキル」が活かせる職種から企業を探すことにしました。
結果的に、書類を応募する際に、
- メーカー
- SIer (システムインテグレーター)
- データ分析会社
- インターネット系企業
- コンサルティングファーム
など非常に幅広い業種に応募することになりました。
活躍できそうな職種のイメージ | 研究コアスキルが活かせる職種
博士の転職活動では、業種・業界よりも活躍できる職種を選ぶことが重要です。
博士の転職活動の採用枠は中途採用、すなわち即戦力の枠です。
研究で培ってきた能力を業務にどのように活かせるかがポイントです。
5のUSの医学系元ポスドクの記事(元URLは閉鎖されていますので、下記Referencesのメモ書きをご参考ください)を読むと、結局は医学系の研究経験を活かして転職を成功させたことがわかります。
私の場合、問題になるのは、天文学のどの部分を活かすことができるかです。
天文学は純粋学術で、医学や薬学のような産業界とのつながりはありませんし、民間企業で研究をしている会社はありません。
実際、転職エージェントと面談をして、スキルを棚卸ししながら職務経歴を書くまでは、プログラミングや画像解析、統計学といった研究コアスキルが活かせることに気づいていませんでした。
しかし、一旦このような研究コアスキルが活かせることに気づくと、職種のイメージが湧いてきます。
6の尾崎氏のブログを読むと、プログラミングを中心に、統計学や画像解析のスキルが、データサイエンティストという職種で活かせそうな気がしてきます。
実際、天文学出身の後藤さんが活躍しているという記事が8です。
6の尾崎氏のブログには、実際にどのようなデータ解析を行っているのかなども書いてあるため、研究で培ってきたプログラミング、画像解析、統計学などのスキルが、どんな場面でどのように活用できそうなのか、かなり具体的にイメージできるはずです。
また、天文学のデータ解析の特徴として、画像データを扱うという点があります。
そこで、情報系出身のデータサイエンティストとの差別化要因として画像データというのもキーワードに入れながら職種をイメージしました。
このようにして、応募する職種のイメージとして、
- データサイエンティスト
- 画像データを扱うデータサイエンティスト
という2つのイメージを持ちました。
実際にデータサイエンティストを志望した経緯についてはまたどこかでお話します!
転職時の年収のイメージ | 年収600万円を狙う
転職後の年収のイメージとして、600万円というイメージを持ちました。
600万円という具体的な数字が出てきたのは、転職エージェントとの面談でデータサイエンティストにフォーカスし始めたあたりです。
ポスドクで転職活動を始めると、年収イメージが全く沸かないことも多いと思います。
当時私が手がかりにした情報といえば、博士新卒を募集している企業の新卒年収ぐらいでした。
どこも30万円弱ぐらいなので、単純に12を掛けて360万円かな?と思ってしまいそうですが、民間企業にはボーナスがあるので、実際の額はよくわかりません。
ちなみに、ポスドクにはボーナスがないあるいはあってもアリンコの涙程度です。
年収イメージで参考になったのは、3のバイオ系ポスドクの方の記事です。
この記事では、
- まず、正社員となること
- 次に、年収800万円を目指して再転職を考えること
の重要性が書かれています。
民間企業のキャリアは、民間企業での就業経験が問われます。
もちろん研究の経験で売り込むことができますが、「サラリーマン経験がない」ことで多少の減点が入ります。
そこで、民間企業で年収を上げていくには、民間企業での就業経験も必要になるということです。
3のバイオ系ポスドクの方の記事では、特に正社員としての就業経験が強調されています。
残念ながら、日本の民間企業において、正社員と非正規(派遣雇用、期間雇用)の待遇には天と地ほどの差があります。
私の勤め先にも派遣で働く方がいますが、非正規から正規への転換は基本的にはできないのが現状です。
したがって、まずは正規雇用での民間企業経験を積むことが重要で、非正規雇用の期間をなるべく短くしたいわけです。
ポスドクは非正規雇用です。
なので、非正規で民間企業に行ってしまったら、さらに非正規雇用の期間が伸びてしまいます。
3のバイオ系ポスドクの方の記事では、サラリーマン経験無しで、正規雇用で転職しようと思ったら、年収500万円ぐらいが妥当と書かれています。
私の場合は、この金額を念頭に置き、転職エージェントとの面談で最終的に年収600万円を目安にすることにしました。
転職後の年収イメージ|転職後、数年で年収800万円を狙う
転職後の年収イメージについては、3のバイオ系ポスドクの方の記事にかなり詳しく書かれています。
年収800万円を目指す動機は、そこが最も費用対効果的に心地のよい年収レンジだからです。
これについては別途詳しく取り上げたいと思いますが、年収900万円を超えると累進課税によって、所得税が23 %から33 %に激増します。
また、年収と幸福度の相関についての調査でも、年収800万円で幸福度は頭打ちになることが知られています。
もっと言えば、年収800万円を超えてしまうと、税金に加えて、背負う職責や労働時間がどんどん割に合わなくなっていくということです。
転職後にうまく行けば、昇格で年収800万円を達成することもできますが、日本企業では勤続年数と年収が比例するため簡単には年収を上げることはできません。
そこで、1社目の民間企業でサラリーマン経験を得た上で、別の企業に年収アップで転職するということが選択肢に入ってきます。
2社目で800万円を目指すのであれば、1社目でしっかりと経験を積むことができる企業である必要があります。
経験を積むためには、その会社で自分が成長できる、あるいは自分を成長させてくれる余裕のある会社である必要があります。
このように転職後数年を考えると、以下のイメージを持つことができます。
- 転職先(1社目)でずっと働くことを前提にする必要はない
- 1社目では自分が成長できるような、余裕のある企業が合っている
この長期的なイメージが、内定後、転職先を選ぶ上でかなり重要になってきます!
Conclusion | まとめ
最後までご覧いただきありがとうございました!
元研究者のブログから情報収集し、業種・職種・年収などの転職の全体像のイメージを掴むプロセスをご紹介しました!
転職市場の中で、博士やポスドクからの民間転職というキャリアパスは少数派です。
そのため、一般的な転職情報が参考にならないことも多く、産業界の情報が入ってきにくい博士・ポスドクにとっては、参考になる情報を集めることが最初のハードルになることも多いでしょう。
今回の記事では、私が転職活動当時に実際に参考にした元研究者のブログ記事を紹介しながら、私が転職活動の全体像をイメージしたプロセスをお話しました。
現在は他の方の記事も増えているかもしれません。
今回紹介したプロセスを念頭に置きながら情報を探してみましょう!
以上、「転職レシピ|天文学系ポスドクの民間転職(情報収集編その2)」でした!
またお会いしましょう!Ciao!
References | 参考
参考にしたブログ記事について、私が当時まとめていた内容を備忘のために残しておきます。
記事1–3のまとめ
- ポスドク(中途採用)のブログ: https://ameblo.jp/gogo-pd/entry-10386042612.html?frm=theme
- まずは相談と情報収集
- ポスドクは学術&企業で終身雇用を考えて行動せよ: https://www.tensyoku-shiawase.com/article/post-2529.html
- 薬品系のポスドクの体験談
- 800万円を目指せ: http://postdoc-tensyoku.link/tensyoku-004/
- Agencyについて: http://postdoc-tensyoku.link/tensyoku-003/
記事2: 東大天文だった人の体験談の抜粋
- 著者紹介: http://www.geocities.jp/living_with_plasma/doctor_no_tenshoku_author.html
- 3つのポストを渡り歩いて6年間ポスドクとして研究生活を送りました
- 私は研究一筋まじめに過ごして気が付いたら殉教者的に高齢ポスドクになってました。
天文で理論系の就職は特に厳しいのは最初から分かっています- *Kaiko(私)による補足1: 2010年代だとポスドク6年目もそこまで高齢ではないが、ぎりぎりではある。
- *Kaiko(私)による補足2: 確かに理論系のパーマネント職のほうが厳しい傾向を感じます。観測系なら、特に観測装置の開発ができればパーマネント職につける傾向があります。
- ちなみに専門は、MHD(電磁流体力学)・磁気リコネクション・太陽・銀河・地球磁気圏・粒子加速・ 大規模数値シミュレーション
- 経歴: http://www.geocities.jp/living_with_plasma/doctor_no_tenshoku_kiroku.html
- 査読論文14本書いたけど、少なかったかな。 非査読論文と収録他は100位は書いていると思うな
- *Kaiko(私)による補足3: 私はそんなに書いてないし書ける自信はなかったです。
- PD5年目の冬から保険として転職活動を始めた.
ポスドク最終年度が始まる数ヶ月前: ネットで情報収集と就職活動を開始。 この時点では、保険のつもり。
- 査読論文14本書いたけど、少なかったかな。 非査読論文と収録他は100位は書いていると思うな
- 【2005秋:PD6】 秋~冬にかけて、企業の転職セミナー・面談に少しずつ参加。
やはり、なぜ今の時点で研究を辞めるのか、企業で何ができるのか、 ということをどこに行っても聞かれた.
と同時に、大学の就職セミナー等に少しずつ参加。 学部生・院生向けの就職セミナーにも参加させてもらった。 ポスドクでも事情を話せば参加させてもらえるものだ。
何にも情報がない状態なので、こういうのはありがたい。 - 【2005冬:PD6】冬から春にかけて、企業のセミナー、面談、応募、面接など、積極的に参加し出した
- 【2006春:PD6】3月15日頃、応募、面接、最終面接、内定とあっと言う間に進んでいった
- いったん京都に戻り学会に参加。そのまま東京へ移動
- 4月1日入社。1日、2日と土日だったため、月曜から出勤。 結局自由になったのは土日の2日間しかなかったなぁ
- 転職活動の記録: http://www.geocities.jp/living_with_plasma/doctor_no_tenshoku.html
記事5: USで医学系ポスドクをやっていた人の記事の抜粋
- 民間企業の新卒、中途採用は、H立関連(新卒)、A化成(中途)を申請しました。
- A化成(中途)は書類選考はとおりましたが、次の面接で落ちました。
- H立関連(新卒)は書類選考がなかなか進まず、時間切れになりました。
- 中途採用仲介業者は、大手のリクナビを含め製薬に特化した業者などに登録しました。
- 経験として私の経歴では、リクナビにははぼ派遣企業しか情報がなく、ほとんど利用しませんでした。博士持ちのような、ある程度専門性を生かすべき人材は、分野に特化した仲介業者を選択したほうが良いかと思われます。
- がんを研究していたこともあり、製薬は待遇も良いことから、後半は製薬に絞って活動をしていました。
- その結果、就活開始から5か月程度で、とある外資系製薬会社に正社員として中途採用されました。
- おそらく派遣企業であればもっと早く決まっていたとは思いますが、今となってはしんどくても我慢してそれなりに大手の会社に就職できて、よかったと思います。
結局就活は相手企業との相性やタイミングがかなり重要であると企業に入ってから分かった - 民間企業のサラリーマンになって今は良かったと思います。私自身の能力はアカデミアで研究を続けるよりも、ビジネスの世界で専門性をもって働くことのほうが向いていると分かったからです。
自分の能力がどこにあるかは、新しい世界に飛び込んで何年かしないと分かりません。 - 石の上にも3年との助言をいただいたことがありますが、勝てない勝負に時間を費やすことは、変化の激しい今の世界では大きなリスクになります。
誰も人生の選択に対し責任とってくれないので、情報を集め、自分にとって最良の選択を勇気をもって選ぶことも重要ではないでしょうか。
記事6: データサイエンティスト尾崎隆氏のブログ記事抜粋
- *Kaiko(私)による補足: この記事は2013年に書かれたものです。
- 新卒博士or博士課程在学者のケース
- 一昔前であればR&D部門に力を入れていた製薬や電機などの最大手メーカーへの就職が多かったのですが、最近はどちらかと言うとコンサル系への就職が多いようです(戦略コンサルが多いですが、データ分析コンサルへの就職も最近は増えている模様).
- 僕個人はIT系とコンサル系以外の状況は寡聞にして分かりません
- ポスドクのケース
- ぶっちゃけ、全体として見れば何も変わってないと思います。いや、それは僕が散々見聞して知っているバイオ系に限った話なのかもしれませんが、旧態依然を絵に描いたような状況が続いているようです
- 古巣で僕の同僚だったポスドクの人々のうち、産業界に転じた人は多分ゼロです。ではテニュアor任期なし職に就いた人はというと、2年半が経った今もなおかなりの少数派です。40歳をだいぶ過ぎた今も任期付きのポスドクを続けている友人知人がまだまだ沢山います
- 実は時々、公私問わずポスドクの企業就職について色々な立場の人から相談を受けることがあるんですが、基本的には全て「肝心のポスドクたち自身が消極的である」ために何も進まず終わっています(具体的な相談まで受けて企業への応募の手筈までアドバイスしたものの、そこで梨のつぶてになったというケースも)
- 特に30代半ば以上のポスドクに関して言えば「民間企業こわい」みたいな雰囲気が強く、なかなか積極的に企業に移ろうという人が出てこない状況です。これらの状況を鑑みるに、バイオ系を中心とする多くのポスドク人材の前途はこれまでに引き続いてお先真っ暗なままであることでしょう
- 一方で、企業の側もDeNAの例に限らず、ことデータ分析業界においては、意外にもポスドクの採用には積極的です。同じ流れでコンサル業界もポスドクを採用していると聞きます。例えば前職のインターネット広告部門ではポスドク歓迎の求人を打っていますし、他にもアドテク系企業各社では研究開発に様々な分野の博士ポスドク人材をどこも採用していると聞きます
- IT業界にせよ、データ分析業界にせよ、コンサル業界にせよ、特に好況の業界で「知的労働」に長けた人材を求める動きは広がり続けています
記事7: 博士が100人いる村を引き合いに出してる記事の抜粋
- ポスドクは、欧米では正規の研究職に就く前のトレーニング期間として定着しています。博士課程を修了した研究者はポスドクとして1、2ヶ所の大学・研究機関で経験を積んだあと、大学や研究機関の正規職員となって自分の研究を続けたり、民間企業の研究職に就いたりするのが、研究者としての一般的なキャリアパスとなっています。
- しかし、日本ではこうしたキャリアパスが十分に整備されていないのが現状です。1990年代以降、科学技術の振興を目指した国の方針により各大学は大学院の定員を大幅に増やし、それに伴って博士課程に進む人も急激に増えました。しかし、博士課程修了者の主な就職先となる大学や研究機関のポストは増えず、民間企業も採用には消極的。この結果、就職のできない多くの博士課程修了者が生まれてしまいました。
- 日本のポスドクは事実上、こうした就職のできない博士課程修了者の受け皿として機能してきました。しかし、とりあえずポスドクになって当面の働き口を確保したとしても、就職状況が変わることはありません。次に進むべき道なく、ポスドクを続けざるを得ない…。博士課程を修了した優秀な人材が、将来展望も描けず、不安定な身分のままさまよい続けている、これがいわゆる「ポスドク問題」です。
- 2012年度のポスドクの平均年齢は34.6歳(男性34.4歳、女性35.3歳)。2009年度は33.8歳(男性33.6歳、女性34.4歳)でしたので、男女ともに平均年齢は上昇しています。正規の仕事に就けずにポスドクのまま年齢を重ねていく「高齢ポスドク」の存在が、データからも明らかになっています。
- 文部科学省の科学技術・学術政策研究所が2007~2008年に約1,000人のポスドクを対象に行ったアンケート調査(ポストドクター等の研究活動・生活実態に関する分析)によると、ポスドクの平均月給は税込みで推定約30万6,000円。最も高かった工学分野は約33万円だった一方、人文・社会科学分野は約21万3,000円で、10万円以上の開きがありました
- 社会保険等では東北大科研費ポスドクはかなりよい. 収入は少しだけまし?
- ポスドクからの職種変更は非常に難しいとはいえ、最近では一部の民間企業でポスドクに限った採用枠を設けるなどなど、徐々に風向きも変わりつつあるようです。残念ながら、大学や公的研究機関のポストが増える見込みはありませんので、ポスドクから別の職に移ろうと思うなら、アカデミアのポジションにこだわらず、民間企業に目を向けていく必要があります。
- ただし、ここで注意しなければならないのが年齢です。年齢を重ねるごとに転職が難しくなっていくのは、一般の職業もポスドクも同じ。特に大学の若手研究者ポストと民間企業の研究開発職では、その傾向が顕著になっています
- 2012年度の「ポストドクター等の雇用・進路に関する調査」によると、次の年度までにポスドクから別の職種に移った人の65.6%が34歳以下。中でも30~34歳が42.3%を占め、35~39歳の22.3%、40代以上の12.1%を大きく上回っています。
- 民間に行くなら35までに.
- 若い年齢層の割合が特に高くなっているのが、民間企業の研究開発職。30代前半以下の割合は79.2%(29歳以下35.8%、30~34歳43.4%)で、およそ8割を占めています。その次には大学の助教・助手が77.6%(29歳以下31.0%、30~34歳46.6%)で続いています
- アカデミックのポストも35までに.
- 「ポスドクとして研究活動を続けてきたが、気付けば30代半ば。大学の助手にもなれないし、諦めて民間企業に転職しようと思ったが、もう遅かった」。残念ながら、こうして行き場を失ってしまい、ポスドクを続けざるを得ないというケースが、現実のものになってしまっています。
- アカデミアのポストを目指す人にとっては悩ましい限りですが、ポスドクになった早い時期から自身のキャリアを考え、30代前半までにどういった道に進むか判断することが理想と言えそうです。
- 任期の変わり目も意識しながら、アカデミアに残るか、民間企業に進むか、早い時期に判断することが必要です
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