育児 | 育児休業のメリットと経済的デメリット(データサイエンティストの育児体験記#5)

お金

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今回はデータサイエンティストの子育て体験記として、育児休業のメリットとデメリットについてお話します。夫婦で育児休業を取ることで、家族だけの時間を作って子育てと集中して向き合えるメリットがあります。一方で、給与や賞与が減るといったデメリットもあります。

この記事を読めば、育児休業のメリット、金銭的デメリット、育児休業計画を立てるときのポイントを知ることができます。

Kaiko
Kaiko

この記事はこんな人におすすめ

  • 育児休業を取得するか迷っている方
  • 育児休業をどのくらい取得するか迷っている方

Abstract | 育児休業のメリットは絶大

夫婦で育児休業を取得することのメリットは非常に大きいです。生後間もない低月齢の頃に、夫婦二人で赤ちゃんの面倒を見られることで、長い目で見て育児が楽になります。生後間もない頃の赤ちゃんは、3時間に1回授乳が必要で、ねんねも力も低いので昼も夜もなかなか寝てくれずとにかく手がかかります。大人も育児初心者なので余計に大変です。そんな時期に、特に男性側が育休を取得して夫婦二人で赤ちゃんのお世話ができると、

  1. お世話の負担を分担できる
  2. PDCAサイクルが回せて育児スキルが高速で高まる
  3. 赤ちゃんのねんね力を上げる取り組みをしやすい

といったメリットがあります。単に負担が分担できて楽になる(メリット1)だけでなく、夫婦の育児スキルが高まり(メリット2)、ねんね力を上げる取り組みを行うことで数カ月後の寝かしつけが楽になる(メリット3)ので、長期的なメリットがあります。経済的なデメリットは無視できませんが、これらのメリットと経済的なデメリットのバランスを見極めつつ、育児休業を有効活用できると育児にとって大きなプラスとなるでしょう。



Background | 産前・産後の休業制度

産前産後にはいくつかの休業制度が定められており、必ず使わなければならないものと権利として使えるものとがあります。会社員が使える出産・育児に関連する休業や休暇をまとめます。それぞれの詳細は過去記事

にありますので、ぜひご覧ください。

#名称取得者任意/
強制
期間有給/
無給
給付金
1産前休業任意産前6週間
から
無給出産手当金
(健康保険から67 %)
2産後休業産後6週間
まで強制
産後8週間
まで
無給出産手当金
(健康保険から67 %)
3育児休業
(女性)
任意産後9週目
から1歳の
誕生日の前日
まで
無給育児休業給付金
(雇用保険から50–67 %)
4育児休業
(男性)
任意予定日/出産日
から1歳の
誕生日の前日
まで
無給育児休業給付金
(雇用保険から50–67 %)
5出生時
育児休業
任意生後8週まで
に28日
無給出生時育児休業給付金
(雇用保険から67 %)
6年次
有給休暇
父母任意有給
7その他
有給休暇
父母任意有給
出産・育児に関わる休業・休暇



Analysis | 育児休業のメリット・デメリット

今回の記事では、産前産後の休業のなかでも育児休業にフォーカスします。育児休業は必ず取らなければならないものではなく、有給休暇が余っていれば有給休暇で賄うことも可能です。これを前提として、あえて育児休業を利用するメリットとデメリットについてお話します。

育児休業のメリット | 長期間、育児に集中できる

育児休業のメリットは数ヶ月から1年といった長期間に渡って育児に集中し、家族と向き合う時間が作れることです。特に、男性が育児に集中できる環境を作ることで、

  • 手がかかる低月齢期に大人2人以上で赤ちゃんのお世話ができる

ことは大きな利点です。



赤ちゃんのお世話の負担を夫婦で分担

低月齢期に男性が育児休業を利用することで、赤ちゃんのお世話の負担を夫婦で分担することができます。産後すぐの低月齢期では、大人が赤ちゃんのお世話に慣れておらず、一つ一つのお世話に時間がかかります。赤ちゃんもたくさん泣くので、一人で面倒を見ているとストレスも大きいです。また、母体の回復も途上ななかでのワンオペは莫大な負担です。



赤ちゃんのお世話スキルを夫婦で高める | 育児のPDCAサイクル

何もかもが初めての低月齢期の育児を夫婦で一緒に取り組むことで、赤ちゃんのお世話スキルを夫婦で高めることができます。初めての育児では様々な課題が噴出します。例えば、オムツ替えの手順でギャザーの立て方や背中側の余白の取り方によってはウンチやおしっこが漏れてしまうことがあります。夫婦二人で赤ちゃんのお世話をしていれば、このようなハプニングが起きた場合にすぐに共有できます。また対応策も二人で話し合って考えることができ、

  • 課題の認識(Plan)
  • 対応策の立案・実施(Do)
  • 結果の確認(Check)
  • 次の対応策の議論・実施(Action)

という育児のPDCAサイクルを高速で回すことができます。夫婦で育児スキルが高速で高まるため、仮にどちらかの育児休業が先に終わってワンオペになった後も、育児をスムーズに行うことができ心理的・身体的な負担が少なくて済みます



低月齢期の男性の育児休業はねんねトレーニングにもプラス

低月齢期に手厚く赤ちゃんをお世話できることは、ねんねトレーニング(ねんトレ)にも効果的です。低月齢期には、メソッドを用いた本格的なねんトレはできません。しかし、

  • 睡眠環境を整える
  • 一人で寝る習慣を作る(寝かしつけのクセを付けをつけない)
  • 睡眠リズムを身につける

といった基本的な睡眠習慣を身につける心がけを行うことが可能です。ねんトレと睡眠習慣については、別記事で扱う予定ですがここでは簡単に触れておきます。

低月齢の頃から睡眠習慣を身につける心がけを行っておくことで、夜泣きが少なくなったり、夜通し寝られるようになる効果も期待できます。実際、私の娘は生後2週で夜の寝かしつけが不要になり、生後7週で夜通し寝るようになりました。夜泣きも月1回にあるかないかで、あったとしても10分もしないうちにおさまります。夜よく眠れることで、子供はお昼ご機嫌で過ごせる時間が長くなりますし、育児も楽になります。



睡眠環境を整えるには余裕が必要

赤ちゃんがよく眠れる睡眠環境を作るには、ベビーベッドなど安全性の高い寝床を整えたり、光の環境を整えることが必要です。光の環境とは、朝起きたら煌々と明るくし、夕方頃からだんだん暗く赤くして、夜にはなるべく真っ暗にするといった、原始時代の生活環境、自然の生活環境での光の浴び方を室内で再現することです。

安全な寝床を整えたり、光環境を整えるには労力がかかります。出産前に完璧に準備できていれば良いのですが、実際に赤ちゃんが生まれてから調整が必要になることもあります。ワンオペ育児では赤ちゃんのお世話にいっぱいいっぱいになってしまうので、睡眠環境を整える余裕はなくなりがちです。夫婦二人で赤ちゃんのお世話にあたることで、睡眠環境を整える余裕が生まれます。



一人で寝る習慣を作るにも余裕が必要

低月齢期にはメソッドを使ったねんトレはできませんが、一人で寝る習慣を作る取り組みは可能です。生まれて間もない赤ちゃんは自分で睡眠に入る能力が低いので、抱っこなどで睡眠に誘導することがどうしても必要になることが多いです。しかし、抱っこで完全に寝かしつけてしまうと「抱っこでないと寝られない」という寝かしつけのクセを付けてしまうことになります。

新生児からできるPUPD法 | 最後は置かれた状態で入眠

このクセを付けないためのポイントは、抱っこで眠気を誘導したらベビーベッドに置いて、その状態で寝に入れるようにすることです。最初のうちは置いたら泣き出してしまいますが、「抱っこしてウトウトし始めたら置く」を5回ぐらい繰り返していると、眠気に耐えられなくなって置かれたまま寝るようになります。この方法はPut Up Put Down(PUPD)法という生後すぐからできるねんトレ方法です。PUPD法を1ヶ月ぐらい続けていると、「抱っこしてウトウトし始めたら置く」を1回やるだけで眠れるようになります。

最初は時間がかかるPUPD法

「抱っこしてウトウトし始めたら置く」を5回も繰り返すには時間がかかります。最初のうちは30分ぐらい、抱っこして置いてを繰り返すことになります。その間、赤ちゃんから手が離せなくなってしまうので、労力がかかります。抱っこで寝かしつけてしまえば5分で終わるところに30分かけるので余裕が必要です。どちらかのワンオペでPUPD法を根気強く行うのは非常に負担です。

後々が楽になるPUPD法

最初は手間がかかるPUPD法ですが、続けているとすぐに寝るようになります。抱っこで寝かしつけるクセを付けてしまうと、生後1-2ヶ月になって大きくなってきたとき、赤ちゃんの成長に合わせて寝かしつけの負担がどんどん大きくなります。一方で、PUPD法で置かれたまま眠ることを覚えた赤ちゃんは、成長に合わせて寝かしつけの手間がどんどん減るので楽になっていきます。調子が良ければベッドに置くだけで寝ます。このように、夫婦で育児休業を取って生後1-2ヶ月ごろまで育児に労力を集中投入することで、後々の負担を軽減することができます。



育児休業のデメリット | 収入が減る

育児休業の最大にして唯一のデメリットは収入が減ることです。育児休業等の休業制度を使う場合、休職扱いとなるため無給となります。一方で、社会保険料が免除となる上、勤務先の健康保険や雇用保険から給付金が出ます。育児休業等の休業制度による収入への影響をまとめます。

収入の減少要因

収入の減少要因として

  1. 休業中は無給になる
  2. ボーナスの算定期間が減る

の2つが挙げられます。

休業中は無給になる

産後産前休業、育児休業は休職扱いのため基本的に給与は支給されません。ただし、会社によっては独自に支給する場合もあるので、勤め先の制度を調べましょう。

ボーナスの算定期間が減る

同様に、休職期間がボーナスの算定期間に含められないため算定期間が減ります。例えば、もともとのボーナスの算定期間が6ヶ月(例えば1月から6月)の場合、3ヶ月の育児休業を取得するとボーナスは半分になると考えられます。ボーナス算定期間の考え方は会社によって異なるので、こちらも勤め先の制度を調べましょう。



不利益な取り扱いは法律で禁止

なお、産前産後休業や育児休業を契機に、会社が従業員に不利益な扱いをすることは法律で禁じられています。例えば、育児休業を取得したことによって

  • 解雇
  • 降格
  • 減給
  • 賞与等の不利益な算定
  • 不利益な配置変更
  • 人事考課での不利益な評価
  • 雑務をさせる

といった扱いは禁じられています。明示的に「産前産後休業や育児休業が理由」とされていなくても、これらが「契機としている」場合には法違反となります。原則として産前産後休業や育児休業から1年以内に不利益取扱いがなされた場合は「契機としている」と判断されるようです(新潟労働局資料参照)。



収入の補填要因

産前産後休業や育児休業中の収入の補填要因として

  1. 給付金(出産手当金、育児休業給付金など)
  2. 社会保険料免除

の2つがあります。

給付金(出産手当金、育児休業給付金など)

出産手当金は勤め先の健康保険から、育児休業給付金は雇用保険から給付されます。休業に入る前6ヶ月の平均給与の額面の67 %が支給されます。社会保険料が免除となるため、手取りの金額は休業前とそれほど変わりません。ただし、育児休業給付金は6ヶ月を過ぎると50 %に減額されます。50 %まで減額されると収入が減る感じがしますよね。

育児休業給付金の上限金額

また、育児休業給付金には上限金額が定められています。2023年5月7日までは

  • 67 %期間の上限額: 305,319円
  • 50 %期間の上限額: 227,850円

となります。額面の月給がざっくり45万円を超える場合には上限額に引っかかるので注意が必要です。給付金については、Backgroundのセクションおよび過去記事「育児 | 産前産後休業・育児休業の基礎知識(データサイエンティストの育児体験記#4)」にもまとめてあるので、そちらをご覧ください。



社会保険料免除

休業中に社会保険料が免除となることも収入の補填要因となります。2023年5月現在、給与にかかる社会保険の免除要件と賞与にかかる社会保険の免除要件は以下のとおりです。

給与にかかる社会保険料の免除要件

給与にかかる社会保険の免除要件は

  • 育休開始日の属する月から終了日の翌日が属する月の前月までの社会保険料、または
  • 育休開始日の属する月内に14日以上育児休業を取得した際の当該月の社会保険料

の2つです。例えば、2022年11月30日に育休を開始し、2023年2月14日まで育休を取得した場合を考えましょう。給与が発生するのは2022年11月と2023年2月です。これらの給与にかかる社会保険料は免除となります。2022年11月は休業が1日しかないので、ほぼ満額の給与が支給され社会保険料が免除となります。社会保険料免除による補填はかなり大きくなります。

なお、2023年2月は2つ目の条件に合致することで社会保険料免除となります。もし2023年2月13日までしか育休を取得しない場合には、2023年2月の社会保険料は免除にはなりません。

賞与にかかる社会保険料の免除要件

賞与にかかる社会保険料の免除要件は

  • 賞与を受け取った月の末日を含む、連続した1ヶ月以上の育児休業を取得すること

です。こちらは2022年10月に改正されたのでご注意ください。例えば、2022年11月30日に育休を開始し、2023年2月14日まで育休を取得した場合、2022年12月の賞与は社会保険料免除となります。賞与の金額が大きい場合、社会保険料の負担額も大きいので、収入へのインパクトが大きいです。場合によっては、育休に伴う社会保険料免除によって、手取り金額が増えることもあります



Conclusion | まとめ

最後までご覧頂きありがとうございます!
育児休業のメリットとデメリットをまとめました。

夫婦で育児休業を取得することで、育児の負担が最も大きい低月齢期に労力を集中投入することができます。赤ちゃんのお世話スキルの向上や赤ちゃん自身のねんね力向上といったメリットは甚大です。一方で、収入が減ることがデメリットです。このようなメリット・デメリットを比較しながら育児休業を取得する期間を決めたり、有給休暇で賄う日数を決めると良いでしょう。

以上「育児 | 育児休業のメリットと経済的デメリット(データサイエンティストの育児体験記#5)」でした!
またお会いしましょう!Ciao!



References | 参考

参考になる外部サイト

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