お金のレシピ|インフレ率(消費者物価)の推移データをダウンロードする方法(預金のリスクデータ編2)

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インフレ率の歴史=データの取り方を教えます。

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今回は転職レシピ派生、お金のレシピです!
資産運用について考える上で、基礎となるインフレ率(消費者物価)のデータの取得方法をご紹介します!
昨日2021年1月22日には、先月の消費者物価指数の最新値が公表され、「生鮮食品を除く総合指数」が4年ぶりにマイナスになったというニュースが流れました。

前々回の記事では、過去の預金金利とインフレ率の推移を比較し、預金のインフレリスクが実際はどの程度ものなのかを紹介しました。
この記事では、その際に用いた、インフレ率の推移データのダウンロード方法をご紹介します。

守りの資産運用においては、預金金利、インフレ率、株式のリターンの3つをチェックして資産のバランスを決めることが重要です。
特に預金の割合を決める際には、預金金利をインフレ率と比較して実質金利がマイナスになっていないか、預金の利点(流動性の高さ、リスクの低さ)に鑑みて許容できる金利の低さであるかを確かめることが重要です。
前回の記事では、預金金利の推移データのダウンロード方法をご紹介しました。
それに対して、今回はインフレ率の側のデータのダウンロード方法です!

インフレ率のデータは総務省統計局により、公的統計として毎月発表されています。
最新のインフレ率の値をチェックするだけであれば総務省統計局のホームページに記載されていますので、それを見れば済みます。
一方で、中長期的な推移を見たい場合には、データをダウンロードする必要があります。
その方法をこの記事で解説しますので、この記事をご覧いただければ、インフレ率のデータをダウンロードして、中長期的なインフレ率の推移をご自分でチェックできるようになります!
ぜひ最後までお付き合いください!

Abstract | 消費者物価指数はe-Statでダウンロードできる

消費者物価指数の推移データは政府統計の窓口e-Statからダウンロード可能です。
e-Statでは総務省統計局が集計した1970年以降の消費者物価の推移データが公開されています。
統計は月次で行われているため、前月時点までのデータをダウンロードすることができます。

データのダウンロード方法は統計表全体をダウンロードする方法と、一部を指定してダウンロードする方法があります。
統計表全体をダウンロードするほうが、手数は少なくて済みます。
一部を指定してダウンロードする場合には、手数は増えますが、前月比や前年同月比などのインフレ率が計算されてある状態のデータをダウンロードすることができます。
両方の手順をまとめましたので、みなさんもご自分でデータをダウンロードして眺めてみてください!

Background | 1970年以降の消費者物価データをダウンロード可能

消費者物価指数は総務省統計局が集計を行っており、1970年以降のデータをダウンロードすることができます。
消費者物価指数(CPI: Consumer Price Index)とは、日常生活で私たちが消費者として購入する物やサービスなどのモノの価格を相対的に表したもので、現在発表されているデータは、2015年のモノの価格を100としたときの相対値となっています。

消費者物価は、平均的な家計が購入する物やサービスの価格を反映しています。
算定対象となる商品は「家計調査」という公的統計調査の結果をもとに、支出額の大きな品目が選ばれています。
個別品目の物価に加えて、「総合」という家計の支出を代表した全体の消費者物価指数も計算されています。これは、日本の平均的な家庭で、それぞれの商品をどのくらい買っているかという「ウエイト」に基づいて、家計が購入する商品全体の物価の変動を観測するためのものです。
この記事では「総合」の消費者物価指数のデータをダウンロードします。

Data | 消費者物価データのダウンロード方法

消費者物価のデータを政府統計の総合窓口e-Statからダウンロードする方法をご紹介します。
今回は、全国平均かつ全品目平均の消費者物価指数をダウンロードします。
消費者物価のデータは品目ごと、地域ごとにかなり細かい粒度でダウンロードすることも可能です。

ダウンロードが面倒で、とりあえず2020年11月までのデータがあれば良い、という方は以下のデータをダウンロードしてください笑

まずは総務省統計局のWebサイトへGo

まずは総務省統計局のホームページ(stat.go.jp)にアクセスします。
このページの左の方に最新の公表データが載っており、消費者物価指数の前年同月比(直近1年のインフレ率)が掲載されています。
下図1は2021年1月21日現在のものですが、2021年1月22日現在では更に更新され、インフレ率は-1.2 %となっています。

図1. 総務省統計局のホームページ

50音順検索から消費者物価指数のページにGo!

上部のメニューバーの「統計データ」のところにカーソルを置くとタブが出現します。
その中の、「50音順一覧」をクリックします。

図2. 統計データの「50音順一覧」へ遷移

遷移したら、「さ行」をクリックします。

図3. 50音順一覧画面で「さ行」をクリック

下の方にスクロールすると「消費者物価指数(CPI)」が現れるので、クリックします。

図4. 消費者物価指数(CPI)をクリック

クリックすると、消費者物価指数(CPI)のページに遷移します。

e-StatのデータページへGo!

まずは、消費者物価指数のページで、左の方にある「集計結果」をクリックします。

図5. 消費者物価指数のページに行ったら「集計結果」をクリック

下の方にスクロールし、「3. 時系列データ」の「全国(品目別価格指数)」をクリックします。

図6. 時系列データの「全国(品目別価格指数)」をクリック

全国(品目別価格指数)の「月次(1970年1月〜)」をクリックします。

図7. 全国(品目別価格指数)の「月次(1970年1月〜)」をクリック

これで、e-Statの消費者物価指数のページに遷移できます。

中分類指数の統計表全体のcsvダウンロード

e-Statのページ(下図8)に遷移したら、csvを統計表全体をダウンロードするか、一部を抽出してダウンロードするか選択できます。

図8. e-Statの画面

統計表全体をダウンロードする場合、「中分類指数(1970年1月〜最新月)」の「↓CSV」というオレンジ色のアイコンをクリックするとダウンロードが始まります。
2021年1月22日時点でダウンロードすると、以下のようなデータになっています。

ファイルを開くと、1列目に年月がyyyymmの形式で、2列目に「総合」の物価指数が格納されています。

図8. 統計表全体をcsvでダウンロードした場合のデータ

項目を絞り込んでダウンロードする方法

統計表全体のダウンロードが不要という場合は、項目を絞り込んでダウンロードすることもできます。
図8の画面で、「中分類指数(1970年1月〜最新月)」の「⇒DB」という紫色のアイコンをクリックしてください。
すると、図9のようなインタラクティブな画面に遷移します。
この画面で、抽出するデータ項目を設定してからダウンロードすることができます。
まずは、左の方の「表示項目選択」をクリックします。

図9. 「DB」のインタラクティブウィンドウ

「表示項目選択」の画面(下図10)では、どのデータ項目を抽出するかを設定できます。
ここでは、「表章項目」と「時間軸」は全て、「2015年基準品目」は「総合」のみ、「地域」は「全国」のみとしてみます。
「2015年基準品目」の右の「項目を選択」をクリックします。

図10. 表示項目選択画面

設定画面(図11)で、総合のチェックボックスのみにチェックがついた状態にします。
最初は全てにチェックがついているので、下の方の「反転」をクリックして一度チェックを外し、「総合」のチェックボックスをクリックすれば簡単にできます。
チェックボックスにチェックを付けたら「確定」をクリックしてください。
さらに、「地域」についても、同じ要領で「全国」のみを選択します。

図11. 「2015年基準品目」で「総合」のみにチェックを付けて「確定」をクリックする

表示項目選択画面(下図12)に戻ったら、忘れずに「確定」をクリックします。

図12. 表示項目選択画面に戻ったら「確定」をクリックする

なぜが「当該データが見つかりませんでいした。」というエラーメッセージが現れますが、問題はないので無視して「OK」をクリックします。

図13. よくわからないエラーメッセージが出るが、無視してOK

DB画面(図14)で右上方の「ダウンロード」をクリックします。

図14. ダウンロードへ

すると、ダウンロード設定用のポップアップ画面(下図15)が開かれます。
ここでいくつか設定をしておきます。
ダウンロード範囲は全データで構いません。
ファイル形式は、CSV形式でできればクロス集計表形式のほうがわかりやすいです。データ数が多いと列指向形式しか選べなくなります。
ヘッダ出力とコード出力は出力するのままでOKです。
下方の「桁区切り(,)を使用しない」はチェックを入れておいたほうが良いでしょう。
設定ができたら「ダウンロード」をクリックします。

図15. ダウンロード用のポップアップ画面

すると、また別の画面(下図16)に切り替わるので、そこで「ダウンロード」をクリックします。
これでようやくデータがダウンロードできます。

図16. 最後の画面

ダウンロードされたデータは以下のように、3列目に時間軸がyyyy0mmmmという形式で、8列目に消費者物価指数が、9列目には前月比のインフレ率が、10列目には前年同月比のインフレ率が格納されています。
10列目の前年同月比はなぜかたまに欠損があるので注意してください。

図17. ダウンロードされたデータの形式

9列目の前月比のインフレ率を見ると、コロナが始まる直前の1月2月頃からすでにデフレ傾向になっており、更に9–11月でインフレ傾向が強まっていることがわかります。
コロナ前にすでにデフレ傾向だったものが、コロナで強化された結果、2020年12月の前年同月比は-1.2 %まで下がっているようです。
日銀は+2%の物価上昇目標を掲げているので、何らかの手が打たれると考えられるので、このままデフレになっていくというのは考えにくいですが、コロナによる経済の停滞が長期化すると、消費が抑制されてデフレ傾向が強まっていくかもしれません。
今後の消費者物価指数の動向も注視していく必要がありそうです。

Conclusion | まとめ

最後までご覧いただきありがとうございました!
e-Statから消費者物価指数のデータをダウンロードする方法をご紹介しました!

日銀が+2%の物価上昇を目指して、金利政策を続けてきている一方、足元ではコロナの影響で消費が落ち込み物価上昇が抑制される傾向にあります。
今回ダウンロードしたデータ項目とは異なりますが、「生鮮食品を除く総合」の指数は2020年12月に前年比-0.2 %となりました。
この項目がマイナスとなるのは4年ぶりのようです。
インフレ政策が勝ってインフレ傾向に戻るのか、コロナの影響が勝ってしまいデフレ傾向が続くのか、今後もインフレ率を注視していく必要がありそうです!

以上、「お金のレシピ|インフレ率(消費者物価)の推移データをダウンロードする方法(預金のリスクデータ編2)」でした!
またお会いしましょう!Ciao!

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