Ciao!みなさんこんにちは!このブログでは主に
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の4つのトピックについて発信していきます。
今回は博士のキャリア事情シリーズの第4回、検証実践編です!
前回作成したデータを使って、研究者のキャリアパスと生涯年収分布を推定していきます!
研究者になった場合、
- どのくらいの確率で安定した職位(パーマネント=終身雇用)に就けるのか
- どのくらいの確率でどのくらいの生涯年収を稼げるのか
を試算していきます。
なおデータによる制限があるため、精度には限界があります。
参考値として御覧ください!
Abstract | 生涯年収は二極化。決めては教授になれるか否か
今回は、公的機関による調査データを活用し、研究者の生涯年収の分布を推定します。
ある年齢の研究者の何割がどの職位に就けるのかを推定し、それぞれの職位の平均年収を組み合わせます。
上位何パーセントの研究者がパーマネント職に就けるのか、教授になれるのか、そしてその場合の生涯年収はいくらになるのかを試算します。
結果として、研究者の生涯年収は高いグループと低いグループに二極化することがわかりました。
30-34歳の研究者のうち、約四分の一が主要大学で教授になることができ、生涯年収は民間修士卒平均の3.3億円を上回ることができます。
また、研究者の3%程度は40-44歳で教授になることができ、この場合の生涯年収は4億円に到達します。
一方で、教授になれない大多数は民間修士卒平均の3.3億円を下回り、2.5億円程度を中心に、2-3億円の間に分布します。
研究者のキャリアを生涯年収という側面で捉えるのであれば、教授になれるかなれないかが大きな分かれ道になります。
キャリア次第では生涯年収4億を目指せるリターンと、雇用の不安定さや生涯年収の中央値(2.5億円)の低さといったリスクをどのように捉えるかがキャリア選択の肝になってきます。
経済的な側面だけをみると、教授になれる自信がないのであれば、研究者のキャリアのリターンはリスクに見合いません。
ただし、やりたい研究を続けられる(これもキャリアによるが)など、金銭以外のリターンをどのように捉えるかも重要です。
個々人の感性で判断するしかありません。
Background | 手に入るデータでできるだけの検証をする
まずは前回までのおさらいをしながら、今回の検証の目的をお話します。
本シリーズのこれまでの回は以下のとおりです。
これまでの回を読んでいる方はこの節はスキップして構いません。
- 第1回: 「転職レシピ|博士のキャリア事情1(ポスドク問題編)」
- 第2回: 「転職レシピ|博士のキャリア事情2(生涯年収推定編)」
- 第3回: 「転職レシピ|博士のキャリア事情3(検証データ準備編)」
検証の目的 | 研究者のキャリアパスと生涯年収分布をデータで推定する
今回の検証の目的は、同年齢のポスドク中で
「上位何割がパーマネント職になれるのか」
「上位何割が民間企業以上の生涯年収を稼げるのか」
「研究者の生涯年収の平均値や中央値はいくらなのか」
といったことを統計的に明らかにすることです。
本シリーズ第2回では、私の転職活動当初の研究者の生涯年収試算を紹介しました。
そこでは、5つのシナリオで研究者のキャリアパスを設定し、それぞれの生涯年収を計算することで、研究者の生涯年収の幅を2.2億円から3.4億円と見積もりました。
ただし、この計算では、それぞれのシナリオの発生確率(確からしさ)がわからないため、実際にどの程度の年収になりそうかといった期待値、平均値を調べることはできませんでした。
今回は本シリーズ第3回で、公的機関の統計データから作成したデータを使って、研究者のキャリアパスの分布と生涯年収を計算します!
検証に用いるデータ | 研究者の年齢・職位分布と東大教員の平均給与
今回の検証には、NISTEP(National Institute of Science and Technology Policy; 文部科学省 科学技術・学術政策研究所)によるポスドクの雇用状況調査、大学教員の雇用状況調査の結果を使います。
採用データ1: NISTEPによるポスドクの雇用状況調査データ
ポスドクの年齢分布として、NISTEPによるポスドクの雇用状況調査のデータを使います。
「ポストドクター等の雇用・進路に関する調査(2015年度実績)」の図7の数値です。
男女別年齢分布がありますが、各年齢での男女の合計をポスドクの人数としてカウントします。
この数値をcsvにまとめたものが以下です。
ポスドクの母集団は日本国内の大学および研究機関で合計1147機関で研究に従事するポスドクとして定義されます。
ポスドクが在籍している機関はそのうち305機関です。
教員以外という定義になっているので、ポスドクおよび特任研究員が含まれます。
採用データ2: NISTEPによる大学職員の雇用状況調査データ
パーマネント職の年齢分布として、NISTEPによる大学職員の雇用状況調査のデータを使います。
「大学教員の雇用状況に関する調査-学術研究懇談会(RU11)の大学群における教員の任期と雇用財源について-」(2013年実績)の図6の数値です。
数値をまとめたcsvは以下です。
このデータには、助手や助教から教授までのパーマネント教員、特任助教などの任期付き教員が含まれます。
任期付き教員はひとくくりに特任教員(Project Faculty)としてカウントします。
これは、平均給与のデータと粒度を揃えるためです。
また、このデータの母集団は学術研究懇談会(RU11)の主要11大学です。
採用データ3: 東京大学の教員の平均給与とポスドク給与の独自見積もり
研究者の年収として、パーマネント職と特任教員については、東京大学の給与水準公表(令和元年)から平均年収を採用します。
また、ポスドク(特任研究員含む)については、本シリーズ第1回の見積もりを参考に400万円として設定します。
さらに、本検証ではポスドクから民間への異動も考慮します。
民間の年収として、修士卒の平均年収800万円(詳細は本シリーズ第2回参照)とします。
まとめると、以下の表になります。
教授 | 准教授 | 講師 | 助教 | 助手 | 特任研究員 | ポスドク | 民間企業 | |
平均年収[万円] | 1200 | 950 | 870 | 730 | 770 | 700 | 400 | 800 |
検証の仮定 | パーマネント職は主要11大学のみで認める
本検証で設定する一番大きな仮定は、採用データ1(ポスドクの年齢分布)と採用データ2(大学教員の年齢・職位分布)以外には日本の研究者は存在しないということです。
ポスドクの集計母集団が日本の大学・公的機関で研究に従事するポスドクである一方、大学教員は主要11大学で雇用されている教員です。
ポスドクの中には主要11大学以外のパーマネントポストを得る者も存在しますが、これを無視します。
ポスドクを辞めて主要11大学の教員になれなかったものは全員民間企業に就職することにします。
実際には、公的研究機関(天文学で言えば国立天文台や理化学研究所など)でパーマネント職に就く場合もあるので、パーマネントポストは過小評価になっている可能性があります。
ただし、大学については、腰を据えて研究をしていくためには、主要11大学のようなメジャーな大学でポストに就く必要があります。
主要11大学以外でのパーマネントポストについて考慮しないことはそれほど悪い仮定ではありません。
Method | スナップショットデータによるキャリアパスの探り方
今回得られている採用データ1(ポスドクの年齢分布)と採用データ2(教員の年齢・職位分布)はどちらも一時点でのスナップショットデータです。
30歳のポスドクと50歳の教員は個人としては別人なので関連性はありません。
しかし、これらを統計的な集団とみなすことで、30歳のポスドクが平均的にはどのくらいの割合で50歳で教授になっているかを調べることができます。
具体的には、若いときに上位の職位に就いている者は年をとっても上位の職に就いているという仮定を起きます。
例えば、30歳でトップ10%の職位に就いている者は50歳でもトップ10%の職位にいると考えます。
このように仮定すると、30歳時点でどのレベルの職位に就いているものが、キャリア後半でどの職位に就くのかを推定することができます。
厳密には、様々な年に博士号を取得したものについて、その後のキャリアを長期間追跡(コホート集計と呼ぶ)する必要がありますが、30年、40年といった長期に渡るデータは見つかりませんでした。
いま手に入るデータでは、今回用いる方法が良さそうです。
ちなみに天文学の研究においても、天体の時間的な変化を捉えるために同様の考え方を導入します。
天文学では、遠くの宇宙を観測すると昔の宇宙の天体を、近くの宇宙を観測すると最近の宇宙の天体を観測することができます。
光の速さが有限なので、到達するのにかかる時間が距離によって異なるためです。
遠くの宇宙の天体と近くの宇宙の天体は、個別には無関係です。
しかし、ある天体種族(たとえば銀河)として捉えたときに、「昔の宇宙に存在する銀河は平均的には近くの宇宙に存在する銀河する」と考えて比較します。
天体種族として時間変化を捉える場合には「進化」と呼びます。
銀河の進化パスの研究でよく使われるのが銀河の質量です。
昔の宇宙で上位10%に入る重い銀河は、現在の宇宙でも上位10%に入るといった仮定を置いて比較します。
この仮定の妥当性は、天文学の場合はコンピュータシミュレーションによって確かめられています。
今回の研究者キャリアのデータについては、コンピュータシミュレーションはできないので妥当性の評価ができませんが、仮定として受け入れておきましょう。
前回のおさらい | 研究者の年齢・職位分布の作成
前回のデータ準備編では、研究者の年齢職位分布を以下(表1)のように作成しました。
採用データ1(ポスドク年齢分布)を採用データ2(教員の年齢・職位分布)の年齢グリッドに合わせて集計して得られたものです。
表の行ヘッダーは以下を意味します。
- 教授(Prof)
- 准教授(AssocProf)
- 講師(Lect)
- 助教(AssistProf)
- 助手(Assistant)
- 特任教員(ProjFaculty)
- ポスドク(Postdoc)
研究から民間に流出する人数の計算
研究者の人数推移を見てみると、30-34歳でポスドクの数がピークになるのと当時にピークになり、その後減少していきます。
ポスドクの数の減少は、教員の増加だけでは説明できず、研究者の人数全体が減っていきます。
この人数は民間企業に流出したと仮定します。
ポスドク人数の増減とパーマネント人数の増減
ポスドク人数の増減とパーマネント人数の増減を測定します。
下表2、TotalFacultyが教員(特任含む)の合計人数、DeltaPostdocがポスドクの増減、DeltaFacultyが教員の増減、DeltaFaculty – DeltaPostdocがポスドクの増減を教員の増減で説明できない分となります。
ポスドク人数の減少がパーマネント増加で説明できない分を流出とする
先程の表のうち、「ポスドクの減少を教員の増加で説明できない分」を民間への流出とします。
30-34歳まではポスドクの人数増加が激しい為、DeltaFaculty – DeltaPostdocがマイナスとなっています。
これについては、新たに博士号を取得した者の流入と考えられるため無視します。
スタート地点は博士号を取得したときとするため、それ以前のキャリアを考慮する必要がないためです。
したがって、34-39歳の864人以降の数字を民間への異動として捉えます。
民間企業への異動も含めた、研究者の年齢・職位分布は下表3のようになります。
Industryが民間企業です。
Totalの人数が30-34歳以降一定になりました。
これを積み上げグラフにすると以下のようになります。
キャリアパーセンタイルの導入
キャリアパーセンタイルという用語を上位 x %の研究者という言い方として定義します。
先程の表を割合にすることで、上位 x %のキャリアを考えることができます。
先程の表は左側が上位職、右側が下位職となるように作成したので、左側からx %以内が上位x %と考えることができます。
分布割合への変換
研究者の年齢・職位分布をその年齢における分布割合に変換すると、以下の表4のようになります。
55-59歳では24 %が教授になっていることがわかります。
キャリアパーセンタイル(累積の分布割合)の計算
この表の割合を左側から累積していくことで、上位x %の割合、すなわちキャリアパーセンタイルを得ることができます。
下記の表5のようになります。
各セルの右端までの累積割合です。
積み上げグラフで表現すると下記のようになります。
55-59歳時点で教授になれるのは上位24%で、そのような人の多くは35-39歳までに助教以上のパーマネント職に就いていると考えることができます。
生涯年収の計算
これまでに得られた研究者の年齢・職位分布に平均年収を割り当てることで、各キャリアパーセンタイルにおける生涯年収を計算します。
イメージとしては、以下のような操作です。
- 計算したいキャリアパーセンタイル(上図縦軸)を設定する
- そのパーセンタイルで、上の積み上げグラフを真横に貫いて、各年齢での職位を求める
- その職位での平均年収が、その年齢における年収であるとする
- 各年齢での年収を足し上げて生涯年収とする
縦軸にキャリアパーセンタイル、横軸に年齢を取った場合の年収が下表6です。
これを横方向に足し上げると、そのキャリアパーセンタイルにおける生涯年収となります。
ちなみに表示は10 %刻みですが、実際には0.1 %刻みで計算しています。
生涯年収として年収を足し上げる期間は、本シリーズ第2回に合わせて29歳から65歳の37年間とします。
Result | 研究者のキャリアは2極化する
結果を見ていきます。
研究者のキャリアパス | パーマネントは3人に一人、教授は4人に一人
まずは、キャリアパスについてです。
キャリアパーセンタイルの積み上げグラフを見てみます。
図2と同じものですが、横軸の刻みを1歳に変えています。
助手まで含めたパーマネント職の割合が最大となるのが、50-54歳時点で、34 %となっています。
したがって、29歳で研究のキャリアにいる人の約3割が、主要11大学でパーマネント職を得ることができます。
また、教授の割合が最大となるのが55-59歳で、割合は24 %です。
したがって、29歳で研究のキャリアにいる人の約四分の一が、主要11大学でパーマネント職を得ることができます。
職位の順位が変わらないとすると、教授になる上位24 %の人は、35-39歳のときには多くが助教の職を得ていることになります。
次に、生涯年収とキャリアパーセンタイルの関係を見てみます。
下記の図は横軸にキャリアパーセンタイル、縦軸に生涯年収を取っています。
上位20 %程度は3.5億円を超える生涯年収を手にします。
上位20 %というのは、先程のキャリアパーセンタイルの積み上げグラフを見ると、50-54歳で教授になるような研究者です。
このような人の多くは40-44歳で准教授、35-39歳で助教になっていることがわかります。
このようなキャリアパスは、本シリーズ第2回で紹介した「研究者として奇跡的なキャリアパス」とほぼ一致します。
さらに、上位3 %に入ると生涯年収は4億に到達します。
ここまで行くと金銭的にも夢がありますね。
上位3 %は、40-44歳で教授になります。
30-34歳の時点で助教、場合によっては准教授になっています。
天文学でも確かに何年かに1回ぐらいは30歳で助教に採用されるポスドクや装置開発をやっていて博士取得後いきなり助教という研究者もいます。
「確かに3 %ぐらいはいるかもなあ」という印象です。
一方で教授になれないキャリアパスでは、生涯年収はガクッと下がり、修士卒平均の3.3億を下回ります。
上位30 %より下位では、軒並み2.5億程度となっています。
特任教員止まりの34 %-tile(パーセンタイル)ぐらいから、40-44歳までポスドクを続ける73 %-tileぐらいまでは、特に生涯年収が低く、2.5億を切る水準となっています。
逆に、35-39歳の時点から民間に移動する91 %-tile以降では生涯年収は2.7億程度まで回復します。
高齢ポスドクを続けた場合や、パーマネント職に付けない場合に生涯年収が下がるリスクが見て取れます。
金銭面だけで考えると、教授になれないと思った場合に早めに民間に移って損切りするという選択は合理的と言えます。
研究者の生涯年収の民間比較 | 多くは民間平均を下回る
研究者の生涯年収の分布を見てみましょう。
上図の青いヒストグラムが研究者の年収分布です。
3.5億を超える集団と2.8億を下回る集団に二極化することがわかります。
ざっくり言うと、超える集団は教授になれた研究者、下回る集団はそれ以外です。
研究者の生涯年収の中央値は約2.5億(シアン縦実線)、平均値は約2.8億(青の縦点線)です。
年収の高い集団が平均値を引っ張り上げています。
研究者の生涯年収の典型値としては中央値の2.5億が適当な推定値と言えるでしょう。
上図には、比較のために民間企業の修士卒平均の3.3億(赤の縦実線)、博士取得後に民間企業に就職した場合(赤の縦点線; 約3億)、そして博士取得後1年ポスドクを経て民間企業に転職した場合(マゼンタの縦破線; 約3億)を記載しました。
単純に勤続年数が短くなるためですが、どちらの場合も博士卒で民間企業に就職すると修士卒の場合の生涯年収を下回ってしまうという試算になります。
このような試算を見ると博士課程の学生や民間転職を考えている研究者の方は
「なんだよ結局修士卒より低給なのかよ」
と思ってしまうかもしれません。
そこで、博士が民間転職で生涯年収を重視する場合には、平均より高い年収で民間企業に入ることが重要です。
このブログの転職レシピでは、博士がどうすれば平均より高い年収で民間企業に入れるのか、また転職後にどのように年収を上げていけるのかについても取り上げていく予定です!
私も決して博士のネガティブキャンペーンをしたいわけではありません!
研究者がどうしたら幸せに生きていけるかを日々考えて発信したいと常々考えています。
シリーズ第二回のざっくり見積もりはいい線いっていた
最後に、本シリーズ第二回で私の経験と勘でシナリオを引いて見積もった生涯年収が妥当だったかを見ていきます。
本シリーズ第二回では以下の表7ように研究者の生涯年収を見積もりました。
シナリオ | 名前 | ポストの概要 | 生涯年収 (第二回推定) |
1 | 奇跡的 | 33で助教、39で准教授、49で教授 | 3.4 億円 |
2 | 理想的 | 33で助教、40で准教授、55で教授 | 3.3 億円 |
3 | 標準的 | 33で助教、40で准教授 | 3.1 億円 |
4 | そこそこ | 41で特任准教授、51で助教 | 2.3 億円 |
5 | 民間転向 | 35で民間転向 | 2.5 億 |
今回の検証(図3, 4)と比較すると、かなりいい線行っています。
シナリオ1は今回の検証のキャリアパーセンタイルでは、40-44歳で准教授、50-54歳で教授になることを踏まえると、15 %-tileあたりに相当します(図3)。このときの生涯年収は3.6億円程度です(図4)。
シナリオ2は55で教授になることを踏まえると、23 %-tileぐらいに相当します(図3)。このときの生涯年収は3.2億ぐらいです(図4)。
シナリオ3は教授になれないキャリアパスなので、25 %-tileぐらいに相当します(図3)。生涯年収は2.9億ぐらいです(図4)。
シナリオ4は50-54歳で助教ですから33 %-tileぐらいでしょうか(図3)。図4で凸凹しているので、読み取りが難しいですが、生涯年収は2.5億円ぐらいです。
シナリオ5は35-39歳で民間に転職するので、95 %-tileあたりです(図3)。生涯年収は2.7億円ぐらいです。
Conclusion | まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます!
今回は、博士のキャリア事情シリーズの第4弾として、研究者の生涯年収を統計データ等を使って客観的に推定しました。
研究者の生涯年収は教授になれるかなれないかで二極化します。
教授になれれば、民間平均の3.3億を超え、場合によっては4億に到達します。
一方で教授になれなければ、2.5億程度にとどまります。
30-34歳の研究者のうち主要大学で教授になれるのは4人に一人です。
ここを目指せる方であれば、生涯年収4億の大台も射程に入ってきます(民間修士卒平均は3.3億)!
一方で、大半は主要大学で教授になることはできず、生涯年収は民間修士卒平均を下回ります。
このリターンとリスクをどう受け取るのか、また金銭以外の価値をどの程度見いだせるかが研究者のキャリアを選択する上で重要です!
この記事が研究者を目指す学生の方、キャリアに迷っている研究者の方の参考になれば嬉しいです!
以上、「転職レシピ|博士のキャリア事情4(検証実践編)」でした!
またお会いしましょう!Ciao!
References | 参考資料
使用データ参照元
- NISTEP「ポストドクター等の雇用・進路に関する調査」(2015年度実績)
- NISTEP「大学教員の雇用状況に関する調査」(2015年発表、2013年測定)
- 東京大学財務情報: 給与水準公表(令和元年)
分析に用いたpython(jupyter notebook)ソースコード
今回の分析に用いたpythonのコードは以下です。
平均年収等のパラメータを変更して試算したい場合などに、ご自由にお使いください。
正確性の保証はいたしかねます。