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の4つのトピックについて発信していきます。
今回は転職レシピ派生シリーズ、お金のレシピです!
資産運用と聞くと、世間では、資産を積極的に増やすためのものと思われがちです。
「FXや株のデイトレード、先物取引で一発当てる!」みたいなイメージがあるかもしれません。
実際には、資産運用の基本とは、預金・保険・株式といった金融資産を利用して、自分の財産を守っていくためのものです。
「財産を守るだけならリスクのない預金にしておけばいいのでは?」と思われる方もいるかもしれません。
実は預金だけでは長期間に渡って資産を守ることは難しいのです。
守りの資産運用シリーズの初回は、預金に潜むリスクの導入編です。
資産運用に「攻め」や「賭け」、「運」のようなイメージを持っている方、ぜひ「守りのための王道の資産運用」を私と一緒に学んでいきましょう。
また、預金だけで良いと考えている方も、この記事を読んで長期的なリスクについて理解を深めてみてください!
Abstract | 預金は物価上昇で目減りする(インフレリスク)
預金のリスクとはインフレリスクです。
インフレとは、貨幣の価値に対してモノの価値、すなわち物価が高くなることです。
銀行預金は一般的には無リスクとして認識されています。
現金預金には、元本が保証されている、支払いが必要なときにすぐに引き出せる(流動性が高い)というメリットがあります。
そのため、短期的な資産保全や、流動性の確保のために、守りの資産運用において、現金預金は欠かすことのできない金融資産です。
しかし、銀行預金にはインフレリスクというリスクがあります。
インフレとは貨幣の価値に対するモノの価値 = 物価が上昇することです。
日本では短期間に物価が大暴騰するようなことは滅多には起きませんが、世界を見ればそれなりの頻度で起きていますし、長期的にみれば、ここ100年で物価は数千倍以上になっています。
逆から見れば、貨幣の価値が数千分の1以下になっているということになり、ここ100年で預金額が実質的には数千分の1以下に目減りしてしまうことを意味します。
このようなインフレリスクがあるために、預金だけで資産を長期間守ることは難しいのです。
この記事では、銀行預金に潜むインフレリスクと、それがもたらした「100年定期預金」の悲しい末路をご紹介します。
Background | 銀行預金は無リスク資産?
以前のお金のレシピで、銀行預金にはリスクがないために、債権や株式などの投資と比べて金利が小さいということをお話しました。
日本の銀行に預けたお金は元本が1000万円までは保証されています。
景気が悪くなろうが、たとえ銀行が倒産しようが元本は保証されます。
一方で、株式は株価の上昇や下落が激しく(「ボラティリティー(Volatility)=変動が大きい」と表現します)、一年で価値が倍になることもありますが、半分になってしまうこともあります。
銀行預金は株式のように1年で倍になる可能性はないものの、半分になることもなく、元本が必ず保証されています。
一般的には「銀行預金 = 無リスク資産あるいは低リスク資産」と認識されています。
銀行預金には、元本が保証されており、支払いが必要になったときにいつでもお金引き出して使うことができる(流動性に優れている)というメリットがあります。
これらのメリットを考えたときに、短期的な資産の保全や、長期的な資産の保全においても、流動性の確保(何かあったときにお金が足りなくならないようにすること)のために、現金預金は欠かすことのできない金融商品です。
ところが、長期的に考えた場合には銀行預金にも無視できないリスクがあります。
下記では、全財産を現金預金だけで長期間守っていくのが難しい理由をお話します。
Contents | 銀行預金のリスクはインフレリスク
銀行預金のリスクとは、インフレリスクです。
インフレとはインフレーションの略で、貨幣の価値に対してモノの価値が上がることを意味します(天文学でインフレーションというと、宇宙の始まりに起きたやつのことですがそれはさておき)。
貨幣の価値に対するモノの価値のことを物価と言います。
銀行預金のリスクとして、一般的にはインフレリスクと為替リスクがあることが知られています。
為替リスクとは日本円の価値が他の通貨の価値に対して下がることですが、広義にはインフレリスクとして捉えることもできるので、このシリーズでは割愛します。
銀行預金が無リスク資産であるというのは、5年や10年といった短期の話です。
30年、50年、100年といった長期になると話は変わってきます。
物価が大暴騰することは、世界を見ればしばしば発生しています。
日本では短期的に物価が数倍になるようなことは起きていませんが、長期的に見れば日本の物価はここ100年で数千倍以上になっているそうです。
下記では、100年前に開始した「100年定期預金」の結末の例をご紹介。
インフレリスク直撃|100年定期預金の悲しい末路
2015年の日経新聞にこんな記事が載っています。
記事には、旧新潟貯蓄銀行(現、第四銀行)が1915年に募集した超長期の定期預金の末路について、以下のように記載されています。
- 1915年に開始した「100年定期預金」が2015年に満期を迎えた。
- 利率は6%の複利のため、当時預けた元本は100年後には339倍に膨らむ。
- 預金証書を受け継いだ子孫が預金を受け取る権利を持っている。
- しかし、受け取れる金額は雀の涙にもならない程度という結末になった。
当時、定期預金の元本がどこまで保証されていたのか調べてはいませんが、元本保証付きで年利6 %の複利が保証されている金融商品は現代では存在しないスーパー商品です。
現代で、年利6 %といえば、株式投資と同程度のリターンです。
したがって、株式投資と同程度のリスク(資産価値が半分になることもある)が伴います。
現代でもし、元本保証で年利6 %の複利の金融商品に出会ったら、おそらく詐欺です。
このようなスーパー商品なのに、なぜ結局は雀の涙にもならない程度になってしまったのでしょうか?
それは、この100年間で貨幣の価値が著しく下落したためです。
逆に言えば、世の中のモノの値段が上がった、つまり物価が上昇したためです。
記事によれば、現在の貨幣の価値は1915年当時の数千分の1以下になっているそうです。
そのため、たとえ預金の金利で339倍に増えても、実質としては3分の1以下になってしまったわけです。
当時の初任給が小学校教員で10-20円程度のようなので、初任給1年分程度の100円を預金したとしても、3万4千円ぐらいにしかなっていないのです。
今の感覚でいうと、200万円預金に入れたら100年後に3万円になっているようなものでしょうか。
もしも資産を守るために「100年定期預金」に預けていたらすごく悲しい結末ですね。
Conclusion | まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました!
預金に潜むインフレリスクについてご紹介しました!
銀行預金は、短期的な資産保全や流動性の確保(何かあったときにすぐに支払えるようにすること)のために、欠かすことのできない金融商品です。
しかし、長期的にみればインフレリスクを伴っており、預金だけで資産を守っていくのは難しいです。
今回はインフレリスクが顕在化した例として、100年前に発行された「100年定期預金」の例を紹介しました。
預金額は予定通り339倍に増えたにもかかわらず、インフレを考慮すると実質的には3分の1以下になっていしまうなんて悲しいですよね。
預金だけで資産を保持していて、100年間後に実質三分の1になってしまったら目も当てられません。
そうならないために、資産運用では、預金や投資などの金融商品を組み合わせて資産を長期間守っていくことが基本になります。
以上、「お金のレシピ|資産運用は守りが基本(預金のリスク導入編)」でした!
またお会いしましょう!Ciao!