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今回は久しぶりの博士転職のレシピ、転職心構え編です!
博士が民間企業に就職する上で、心構えとして押さえておくべきポイントをご紹介します。
天文学系データサイエンティストとしての主観が入りますが、民間転職を考えている他の研究者の方々にも参考になる点があるはずです。
民間企業でのキャリアを将来の選択肢に入れている研究者の方や博士課程の学生の方に読んでいただきたい記事です!
博士の民間就職は基本的に中途採用です。
なので、持っているスキルや特長が会社でどのように活かせるのかが重視されます。
博士が研究で培ってきたスキルや特長を売り込むためには、そのスキルや特長と企業との接点を探すことが必要です。
この記事では、転職活動において、どのように企業が求めるものとの接点を見つけていけばよいのか、ポイントとなる視点をお話します!
Abstract | 企業のビジョンと自分の能力がマッチする部分をすべし
博士転職は中途採用なので、前職=研究における経験が、採用可否、ひいては提示年収を左右します。
企業には中途採用で実現したいことがあります。
応募者の能力がそれとマッチしており、長期的な展望がその企業で実現できそうであれば、年収を引き上げられる可能性があります。
企業が中途採用で実現したいこと=ビジョンには短期的なものと長期的なものがあります。
短期的なものは、求人票にジョブディスクリプションとして記載されている、想定されている業務で活躍してくれることです。
具体的には、想定される業務や求められる能力です。
「即戦力になるかどうか」が見られます。
長期的なビジョンについては、応募者側の主体性が問われます。
特に博士転職では、アカデミック→産業界へのキャリアチェンジになるため、
「その大きなキャリアチェンジの果に何がしたいのか」、
「その企業に入ることでその望みが叶うのか」
が重要です。
こちらは「将来、会社を引っ張ってくれそうか」が見られます。
このような短期・長期の視点から、自分の能力と将来のキャリア展望を整理していくと、単に年収を引き上げられるだけでなく、自分の能力を活かして仕事ができ、活躍できる可能性が高まります。
ぜひこのような視点をとりいれてみてください!
Background | 企業が求めるものとの接点が年収を引き上げる
博士転職は基本的に中途採用です。
新卒採用・中途採用によらず、就職活動では企業側が求めている人材とマッチしていることが採用される条件です。
中途採用では、前職での経験が重要視されます。
企業が求める能力や経験と応募者の能力や経験がマッチしていればしているほど、採用時に提示される年収を引き上げることができます。
博士新卒枠を用意している企業もありますが、サラリーマンとしてはそれなりに年齢も重ねているので、学部卒や修士卒のようにフレッシュさで勝負することは困難です。
したがって、企業が求める能力や経験と研究で培ってきた能力や経験とのマッチングを押し出して行くのが得策です。
新卒であれば、ポテンシャルが高くて、企業に入ってから様々なことを吸収して長い目で見て成長していくことが期待されています。
だから、特に具体的に想定されている業務のない「総合職」として採用されることが多いです。
博士でも若ければ未経験の第二新卒として総合職で転職する選択肢もなくはないです。
しかし、新卒採用では年収が勤続年数に比例する形になってしまうので年収を上げにくくなります。
企業に入ってから身につけた能力が評価されるキャリアなので、当然といえば当然です。
Contents | 企業にはビジョン = 中途採用で実現したいことがある
企業が中途採用を行う背景には、中途採用で実現したいことがあります。
業が中途採用で実現したいこと = ビジョンには短期的なものと長期的なものがあります。
短期的ビジョンはジョブディスクリプションに書かれている
短期的なビジョンは、
「この業務に人がほしい」、
「これからこういったビジネスを展開するためにこういうことができる人材がほしい」
といった具体的なものです。
中途採用ではこのような具体的な目的を考えて予算を取り、採用活動を行います。
短期的なビジョンとマッチするかどうかは、前職での経験や身につけている能力がポイントです。
企業の短期的なビジョンは、募集情報にジョブディスクリプション(Job Description)として記載されています。
求人票には普通は、
- 想定される業務
- 必要と思われる能力
など、いわゆるジョブディスクリプションが記載されています。
中途採用では、企業はジョブディスクリプションにマッチする人材の中でなるべく優秀な人間を採用することを目指します。
このことを頭に入れておくと、博士転職をする中で、どのように自分を売り込んでいけばよいのかが見えてくるはずです。
コンサルティングファームなどのデータサイエンティストの採用であれば、例えば、
- 想定される業務: 金融機関に対して、統計学的なモデルを使った信用リスク関連のコンサルティング業務を行う
- 必要なスキル: 基礎数学の知識、統計学の知識、プログラミング
といったように記載されます。
この場合であれば、企業は金融機関に対してコンサル業務を展開していきたいからデータサイエンティストを採用したいのです。
このジョブに適合する優秀な人材を採用するために採用活動を始めます。
このように短期的なビジョンはジョブディスクリプションに書かれているので、情報収集はしやすいです。
長期的ビジョンは応募者の主体性が問われる
長期的なビジョンは応募者の主体性が問われます。
企業の側は短期的には具体的な目標を持っていますが、長期的に具体的な目標を持っているケース、それを現場の担当者が理解しているケースは少ないです。
したがって、応募者の側が「将来こうなりたい。そのために御社は最適な環境です」と主張していくことが重要です。
特に博士転職の場合は、アカデミックから産業界へのキャリアチェンジなので、長期的なビジョンは面接でも聞かれます。
まずは、自分の長期的なビジョンを持っている必要があります。
すなわち、「自分が将来、産業界でどのように活躍したいのか」ということです。
企業も予算をかけて中途採用するからには、長期的に活躍できる人材を探します。
長期的に活躍するためには、応募者のビジョン(wantや野望)がその企業に入ることで実現できる必要があります。
応募者がビジョンを語ることで、採用担当者に「将来どのような人材に育って、どのように会社を引っ張ってくれそうなのか」を具体的にイメージさせてあげましょう。
中途採用の面接では、企業から一方的に質問を受けるだけではなく、こちらから質問できる機会があったり示唆をもらえることがあります。
通常は一次二次と面接があるので、一次面接のときに、「こういうビジョンを持っています」とぶつけてみると「それはこの会社ではこういう風に実現できそうだね」というような会話が生まれます。
長期的なビジョンとのマッチングは求人票からはわからないので、面接を情報収集の場として活用するのが手です。
Conclusion | まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございました!
博士転職で重要となる企業のビジョンと、企業のビジョンとの接点の探し方についてお話しました!
博士転職は中途採用なので、前職=研究における経験が提示年収を左右します。
まずは求人票から企業が中途採用で実現したい短期的ビジョンを理解し、面接のなかで長期的なマッチングを探るのが良いでしょう。
短期的ビジョンについては、研究で培ってきた能力がどのように活かせるかを押し出してマッチすることを主張しましょう。
長期的なマッチングはアカデミック→産業界へのキャリアチェンジの果に何を望んでいるのかを整理しておくことが必要です。
以上、「転職レシピ|博士転職で企業が求めること(転職心構え編)」でした!
次回は、研究で培った能力が産業界でどのように活かせるのかについてお話します!
またお会いしましょう!Ciao!